ロックウェルアイズ

おもいで写眞のロックウェルアイズのネタバレレビュー・内容・結末

おもいで写眞(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

東京で夢に敗れ、祖母の死をきっかけに故郷に戻ってきた結子。
夢を追うがゆえに、母親に代わって自分を育ててくれた祖母を地元に残して上京し、結果祖母を1人で死なせてしまったことを深く後悔する彼女だったが、ある日幼馴染の一郎に遺影写真を撮る仕事に誘われる。
祖母の遺影写真も集合写真を拡大したピンボケ写真であったことから、彼女は地元のお年寄りの元を回り、遺影写真を撮らないかと声をかけ始めるのだが…

遂に、、、遂に、、、
映像系サブスクに手を出してしまった。
というわけでU-NEXTに入りました。
記念すべき1本目。
早速ポイントを使うことになったけれど、昨年劇場で見逃しててずっと観たかった作品だったので。

遺影写真ではなくおもいで写真。
嘘が嫌いで頑固者、そんなヒロインが写真を撮るということを通してお年寄りと交流し、そのお年寄りたちの様々な人生を通して自分自身を見つめ直す物語。
確かに良い話なんだけど良い話すぎた。
確かにおもいで写真を通してお年寄りたちは希望を得たし、プラスに働いた部分は大きいと思う。
ただ、言っちゃ悪いが全て解決した訳ではない。
寧ろ解決したのは表面上の問題だけ。
どう足掻いても彼ら彼女らの生きる先には死が待っている。
それでこの映画、実際に遺影写真におもいで写真が使われるような展開にはならない。
だいぶ不謹慎かもしれないけど結子のおばあちゃんくらいしか劇中で亡くなっていないのが違和感。
おもいで写真という救いのようなものはあるが、いつ死に至るかも分からないお年寄りの方々の気持ちを体験できる一種のホラーに感じた。
繰り返しになるけれど、確かに多少救いになったかもしれない。
でも死が迫ってきていることに変わりはないし、死に関して妙に現実味がないのが恐ろしかった。
あと、これに関しては低評価ではないので。微妙に褒めてます。

1番の問題点はヒロインの描き方。
ずっと不機嫌で頑固、そして自分勝手。
見ててイライラする。
少しは同情するけど、成長が見られるかと思えば最後までほぼ同じテンション(ラストシーンの笑顔は最高でした)。
役者深川麻衣はとても良いけれど、こんなまいまいをみんな見たいのか?
だってこの作品テンカラット(深川麻衣、高良健吾、香里奈、井浦新…etcの所属事務所)の設立25周年企画の作品なんでしょ。
いくら浮気で女と逃げたことが許せないからって、他人、しかも仕事上の客に対してあの態度はあり得ない。
なんであんたの方が許してあげるみたいな上から目線になってんのよ。

期待してただけにちょっと気になるところが他にもいくつかあったけれど、これくらいにしておきます。
かそけきサンカヨウも少し合わなかったから、クリエイターどうこうよりもテンカラットの製作が苦手なのかな。
1番良かったのは吉行和子さん。
あんなおばあちゃんいたら良いですね。