方眼

ドライブ・マイ・カーの方眼のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
「チェーホフの銃」、物語に登場する違和感のある要素にはその理由が必要。この映画はクイズのように謎が提示され続ける。情熱的なセックスはなぜ?無言でドアを閉めるのは?車を運転する時間?運転手の雇用?顔の傷?オーディションで彼を選んだのは?ゴミ処理場に行くのは?運転をほめられたミサキのとる行動は?ホームセンターで何を買った?目的地近くで一旦止まるのは?謎には答えるものと想像の余地を残しているものがある。生きることと芝居についての話、数名の他者と関係を持ち創作する点において、家福と音は同じことをしている。会話と対話、意味が不明で成り立つコミュニケーション。演出、室内と車内の鏡が効果的。岡田将生はこれまで美青年過ぎて記号的だったが、本作のクライマックスでは顔つきが変わるスゴさ。現在かなりの映像作品の車中シーンが合成な中、本作はリアル撮り。そのこだわりが有り難い。
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