くう

ドライブ・マイ・カーのくうのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.9
8月26日鑑賞

カンヌで最優秀脚本賞を取ったというのが納得できる。だって脚本が面白いもの。

劇中劇と映画自体の台本の絡み、言葉を発することで情景が見えてくる。「テキスト」の魔力を存分に味わう。

彼の大事な車もテキストを味わうパーツ。死も性も時間も、全てパーツ。

上映前、3時間越えの予定にちょっと引き、村上春樹原作は、そうじゃなくても長いんだよなぁ…と思っていたけれど、全く長さを感じず夢中になって見た。聞いた。

音のテキストを長々と語る岡田将生のシーン、怪談のようにゾクゾクした。

「それでも生きていく」話だった。生きて行かなくては。神様が見ているかどうかは分からないけれど 。

他のユーザーの感想・評価

onono

ononoの感想・評価

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西島秀俊は、序盤とか、息を吐きながら発語するのが気になっていた。三浦透子の芝居はとても良くて、その人の声とテンポにもしかしたら黄金比みたいなものがあるのかしら、などと考えていた。岡田将生と西島秀俊の後部座席の会話は最高だった。根本の設定にかかわるやりとりは、気になってしまったな。でも良かった。あんなにお金のある地方芸術祭なんてどこにあるんだろう。
らおー

らおーの感想・評価

4.5
変に語ろうとしても私には陳腐な感想しか言えない。
見てよかった。1人で見てよかった。今見てよかった。
きっと私の中にずっと残る作品の一つだと思う。
前髪

前髪の感想・評価

4.2
人生という一本道を寄り道しながらも明確にあるゴールである「死」に直面する怖さ、その一本道を渡り切った人間に待つ「死」を目の当たりにする恐怖、その「死」に自分も関係しているという免れぬ罪…その死を描くために作られた3時間がぬかりなく淀みなく美しい
その道を渡るために立ちはだかるさまざまな葛藤や矛盾の狭間を濃くしっかり丁寧に描いていた、狭間であるものをしっかりと明確にして描くことの丁寧さと3時間ある内容の濃さに映画の必要性とやる気も感じ取れて面白かった。
正直な話3時間って映画としても長いしこの映画の内容的にそんなに大きく動くシーンもあまりないんけど1秒1秒が染み入るようだったのであまり苦じゃなく見れた、途中に入る演劇シーンも力が入っていてよかった。
それと役者さんたちの空気感が素敵だった、キャラとしてぶれず、だけど印象深いから演技と役の作り込みがうまい、特にドライバー役の三浦透子さんがすっごいよかった、あんまりタバコくゆらせる演出が好きではないんだけど、彼女のどことも言えない仄暗さと未来を生きてける力強さがマッチしていてすごく良かった。あと西島さんと岡田くんだけ頭身バグりすぎだった。

人生って長いようで短くて、その場に立ち止まってるようで確実に進んでる、人生は立ち止まれないし考え続けなければいけない、だけどちょっと車に乗って安定した道を道なりにゆったりと静かに人生考えていく時間も大切なのかもしれないな。
また観てしまった。舞台の響きや車のエンジン音に包まれてる感は映画館ならではのもの。あとタイトルの意味が自分の中で更新された。他者との対話←(車との対話)←自分との対話みたいな構造。それってほとんど湾岸ミッドナイト。。
-----------------------------------------------森田ひかるミーツ長い言い訳、頭文字D、岸辺の旅。村上春樹原作ってのを一旦忘れて観たほうが良いのでは?という予感がしてたが、のっけからヤツメウナギでそれは無理な相談と悟る。入れ子のワーニャ伯父さんにグサグサ刺されるお年頃なので氷河期世代は覚悟のほどを。どうでもいいけど俺らの知ってるハルキならマスターベーションって言うよね、あと臆面もなくヤるよね、大切なSAAB、揺らすよね。タイトルがタイトルなだけにネトフェミからの炎上が心配されるところ、行為自体は女性上位時代。車といえば高月厩舎のボルボだけど、あれはただのシャレならともかく、今のVOLVOは紛い物だという事実に即してるならミスリードだよね。だって家福以上に高槻が"本質のひと"だもの。広島なのにヤクザが出てこないぶんだけ減点
律子

律子の感想・評価

3.8
なんか初体験の演出だったかも。
かなり淡々と静かに進むのに、3時間全然飽きずに観られた。よく分からないけど、計算しつくされてるんだろう。
文学や演劇が好きな人は引き込まれる作品かな。一人で観るのがいい。

原作も読んだけど、脚色がとても村上春樹を理解している感じですごい。因数分解して再構築みたいな。?
三浦透子さんの存在感、素晴らしかった、、、
多言語と手話の演出良かったな。
タバコ吸ってみたくなる。
くどいほどのワーニャ伯父さんのセリフ。
演じることの不思議さ、奥深さを思った。



“自然に嘘なく愛されてたし、自然に嘘つかれ裏切られてた。。”
人間てなんて矛盾に満ちてるのだろう、、、

“本当に他人を見るには、自分の心を見なくてはならない。”

(ニュアンスでうろ覚え)


傷ついたときに、ちゃんと傷つくの難しいんだよね。見ないふりしてしまう。
Do

Doの感想・評価

4.1
傷ついた者が自分の心と向き合う物語。凄く良かった。
文学的で淡々と進む物語に引き込まれ179分という長さを感じず、どんな結末を迎えるのか気になって観ていた。
劇中の物語が面白い。
ラストは新たな一歩を感じるものだった。
チェーホフのワーニャ叔父さんが読みたくなる。
岡田将生くんの演技で引き込まれて苦しくなるほどのシーンがあった。
西島さんと三浦さんも好演。
SKOKI

SKOKIの感想・評価

3.0
自分には難しすぎた…
しずるのコントがずっと頭をよぎってたなぁ…
長い映画でしたが、全く飽きることなく、静かに進むストーリー、台詞をしっかり聴いたい思いでみてました。
好きな大事に乗っているクルマを他人に運転させることに抵抗していた主人公が、丁寧に起伏を感じさせないように運転してくれるドライバーに運転を委ねていく様が、自分のことは自分だけで抱えてやり過ごそうとする心をほぐしていく。
タイトルの意味を最後に理解した。
たこ

たこの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

北海道の村で泣きながら語る西島さん、村上春樹だなって思った。どういうところにそう思ったのかわからないけど。

主人公の住む特徴的な階段のある部屋は、他の作品でも用いられていて3回目の遭遇だったので、極めて個人的にだが、ノイズに感じた。オシャレな暮らしやリッチさを演出するのにちょうどいいのかな。

村上春樹原作だとすると意外な部分があるなと思ったのは、映画オリジナルの部分だったのかな?どのくらいアレンジがされているのか気になって、原作も読みたくなってきた。

ソーニャ役の方の演技がすごく素敵だった。
37

37の感想・評価

4.7


うまく言葉にできないけど感じるものはかなり多い。

ただ、こんな映画にはなかなか出会えないだろうなぁ…と思った。よかった。
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