あー

ドライブ・マイ・カーのあーのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
チェーホフの演劇と自身の人生と妻の物語のリンクによって過去と現在を見つめ直し未来へと走り出す
家福音が家にもたらしたものは福音なのか
『PASSION』では言葉による対話が大きな力を持っていてそこから「赦し」が生まれていたけどこの作品では妻が死んでしまってそれができない
そんな中で彼女を深く知って赦すためには自分と向き合うしかなくその方法が演劇とやはり対話
傷つかない為に無意識に隠した自分の本心との距離が物理的な距離でも表され、ドライバーのみさきとの会話と運転によってそれが縮まっていく
広島(現在)へと逃げていた2人は北海道(過去)に向かう
この時の妻と住んでいた家がある東京?の使い方は『寝ても覚めても』で駆け落ちしているシーンの東北(その場所を超えることで今までと変わるという意味で)と似ている
水の中では過去も現在も変わらない、みさきの運転は重力を感じない(→水の中?)という台詞があったからあの車は一種のタイムマシンなのかもしれない
濱口竜介は他人とのどうしても理解し合えない領域という題材をあらゆる手法でこれからも挑戦し続けると思うから楽しみ

①2021/9/12 映画館
②2022/9/25 地元の図書館で鑑賞
2023/7/21 原作読了
あー

あー