みの

ドライブ・マイ・カーのみののレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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濱口監督作品は『寝ても覚めても』しか観ていないけど、何か距離感があって掴み所のない演出をする人なんだなと引き続き思ったのだけど、それってずっと問い続けているようなものなのかもと思った。この人は何故語るのか、この人たちは何故セックスをするのか、この人は何故怒らないのか、この人は何故問わないのか、とずっと距離を起きながらも問われ続けているようで、それが時にコメディのように、時にホラーのようにこちらには見えてきた。それがすごく映画的だと思った。

というのもあって、クライマックスはっきり台詞で説明されている気がして、なんだなんだとなってしまった。抱擁したい気持ちは分かるが、抱擁する必要はあったのか。それを考えてしまっている。あのクライマックスは、あんな分かりやすくする必要があった?もしくは、あの分かりやすさが彼ら彼女らの誠実さなのか?映画的なものと物語の必要性とを天秤にかけてしまう。

でも、大切な人を失って、その人に対して不誠実さがあったとしても、それに気付き、自分の底を見つめなおしたとき、もしかしたら全然想像もできなかった土地で自分らしくやれてるのかもよね、と思うと、良かったなと素直に思える。
手話出てくる映画好きーなので、そのバチバチの存在感が手話としての在り方と一致してるかどうかはわからんにしても、好きだなと思った。
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