しまかな

ドライブ・マイ・カーのしまかなのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

予期もせずに、とても"福祉"的な映画だと感じた。

・"ドライブによるセラピー効果"が描かれているようだった。瀬戸内の風景から北海道の雪山まで、とてもよかった。

・"演劇もセラピーになること"について。他人同士であるのに、多言語であるのに、でもだからゆえに交わり合いに"奇跡"が起こる。

・感性が豊かであることが、ある種の"衝動性の強さ"となり、"自制心の弱さ"や"半道徳的"ということになり得る。
それらを"障害“と名づけて支援する仕事をしているわたしは、あまりに慣れすぎていて、家福にも同等の精神力を求めてしまった気がする。最後の涙にがっかりしたのは否めない。
でも、"ありのままを認めて受け入れる"という大切なテーマにはしっかりと重みがあった。

物質的豊かさから精神的豊かさの時代になっているのだから、日常の乗り越えるべき悲しみや苦しみ、それに対するケアやセラピーはますます増えていく。

そんな中での、人の関わりによる"奇跡"はもっともっと広がってほしいと思いました。
しまかな

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