ドライブ・マイ・カーのMilaのレビュー・感想・評価

原作未読だが、村上春樹文学を思わせるストーリーと設定であり、それを映画化した濱口監督の手腕にさすがと思わされた。
愛と喪失が物語の中心軸となっているが、そのような誰にでも起こるが、それぞれの立場にはなれない事実を、西島秀俊をはじめ役者陣は見事に表していた。各キャラクターの苦悩が静かに、丁寧に描かれていて、観ていて引き込まれた。約３時間と長めでテンポが良いという訳でもないのに、流れるように鑑賞時間が過ぎていった。観る人がその世界に没頭してしまうからなのかもしれない。