ドライブ・マイ・カーの作品情報・感想・評価 - 453ページ目

「ドライブ・マイ・カー」に投稿された感想・評価

音の使い方、色、画の構図、役者の目線、文学的な言葉の紡ぎ方、全てが気持ち良かった けどその気持ち良さしか残っていない訳ではなくて、人間のキモさもそこには共存していて、、、自分のボキャブラリーでは処理できない!ってなるしこんな世の中だけど、「生きよう!」ってなる最高映画。あと特にジン・デヨンさんの演技が良かった。
ひーろ

ひーろの感想・評価

4.4
公開初日に観ることができて嬉しい。

179分。全体的に淡々と進むので、途中何を見せられているんだろうと思うことも。ただ、良いポイントで展開されるので最後まで世界にどっぷりと浸れます。

西島秀俊さんしかこの役出来ないでしょうというくらいのハマり役。

そして、岡田将生さんがとても巧い、特に車内で家福のマウントをとっている時のあの表情、かなり見応えあります。不安定な感じもよく出てる。

舞台のラストシーン。どう良いのかうまく言葉にできないんだけど、すごく良い。引き込まれます。

原作からは相当変化しているけれど、原作内で大切にされている台詞は”そのまま”使われていたり、原作の雰囲気とも合っています。村上春樹の作品が好きな私も、鑑賞中の違和感はほとんどありませんでした。

もう一度丁寧に鑑賞したい。

そして、とても長いので、お手洗い等、体調整えてから鑑賞してくださいね。上映中に出入りされている方がそこそこいらっしゃいました(笑)
tiger

tigerの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

みさきの故郷に向かう車を正面から撮ったショット。音が消えた瞬間、理由もなく体の芯から震えた。あれは単なる映像なのか。あれは間違いなく「何か」だった。

このレビューはネタバレを含みます

今年ベスト1位の座を観る前から予約していた映画であるが、その期待をさらに上回るとんでもない映画に出会ってしまった。村上春樹作品の映画化としても、濱口竜介の映画としても完璧である。カンヌで脚本賞を取ったというのも納得な程、野心的な試みに満ちた映画であるこの作品。これまでの濱口竜介作品の中でも、劇的な展開が連鎖する。まず物語は西島秀俊演じる舞台演出家にして役者、家福と、その妻、音のやり取りを映すところから始まる。ここの場面からしてもう不穏さが滲み出ている。セックスをした後に譫言のように物語を語りだす音。音の浮気を目撃してから目に見えて声に感情がなくなる家福。互いの顔が見えずにすれ違う駅弁体位。いきなり衝突する赤いサーブ。存在が匂わされる死んだ娘。そして訪れる音の突然の死。これら全ての要素が乱打された後にようやく出演者たちのクレジットが入るという演出にも痺れた。そしてそこから始まる2年後の物語も凄まじい。家福が出会う専属ドライバー、みさき。彼女との関係性の微妙かつ確かな変遷と、日本語、英語、中国語、韓国語、そして韓国手話という多言語で形作られるチェーホフの「ワーニャ伯父さん」の劇。この2つの軸を持って展開していくわけであるが、この二つを引っ掻き回していくのが岡田将生演じる俳優の高槻。一見純真無垢で誠実そうに見えるが、ふとした拍子に彼自身も制御しきれない暴力性が顔を覗かせる。メソッド演技の定義を完全に間違えているオーディションでのセクハラまがいの演技や、バーの場面での怖すぎる豹変ぶり、そして映画全体を通しても白眉となる車中での家福との会話シーン。ここでの岡田将生の演技が凄すぎて観ている間思わず息を止めて画面を凝視していた。ハッキリ言ってこの高槻という男は「寝ても覚めても」の東出昌大に匹敵するくらい内面が全く読めないクソキモい奴なのであるが、そんな野郎が心の底から絞り出した「本音」が、家福をサーブの助手席に座らせ、みさきに対して本音を吐露させるきっかけになるのである。しかし、この場面に留まらず、さらなる飛躍を見せるのがこの映画の末恐ろしい所。みさきの故郷に帰郷する場面で、ついに家福はそれまで目を背けていた喪失に目を向け、自分の心の内に正直になり、慟哭する。とんでもなく長い長い長回しの果てに西島秀俊の演技を超えた「何か」が現出する。これは劇中での「ワーニャ伯父さん」の読み合わせの中でも自己言及している通り、濱口竜介監督自身の特徴的な演出法、相手のセリフを覚えるまで感情を抜いた状態で本読みを続け、本番で始めて感情を出して演技をし、それを受ける事によってさらに素晴らしい演技が引き出される。という物が齎す最たる好例である事は疑いようがない。この映画全体を通じて表現されるテーマは「本音と演技の間に違いはなく、どれもが"本物"のパーソナリティそのものである」という物であると思っているが、その最終的な結論となる場面で、家福がみさきの正面を見て、抱きしめるという行為を行わせるのがズルすぎる。濱口竜介の映画では、"ここではない何処か"に向かっている密閉空間の中でしかなし得ない関係性の変化と、そこでしか曝け出せない自分という存在の本心を肯定する。という場面が毎回繰り返される。これまでの映画ではその密閉空間とは即ち「電車」のことだったが、今回は赤いサーブ。その中で同じ方向を向きながら旅を続けてきた家福とみさきが、正面切って本心を告白し、序盤では顔を確認し合うことのできない断絶の表現として示された「ハグ」を意味を180度反転させて提示して来るからあの場面は感動的なのである。そして最後の最後に観客がみさきと共に見せられる「ワーニャ伯父さん」の本番。それまでも自身の演出する舞台で、赤いサーフの中で繰り返し再生されるカセットテープの声で、まるで死んだ妻の亡霊の様に言霊として家福の前に立ち現れ続ける「ワーニャ伯父さん」のテキストが最後の最後に家福自身に寄り添って彼の心を救う瞬間、涙が溢れて止まらなかった。この演技を我々観客と共に受け取ったみさきが、コロナ禍の「今」を赤いサーブと共に生きる姿を映し「ドライブ・マイ・カー」というタイトルがようやくお目見えになる。これを完璧と言わずとして何と言うのであろうか。3時間の上映時間の中、人と人とがわかり合い、人生が希望を持って切り開かれるその瞬間を目撃した。かけがえのない映画体験。大傑作!
裕菜

裕菜の感想・評価

4.1
言葉 映像 時間 
全てが美しく感じた3時間でした。

でも感想を語ろうとすると言葉にならず
鮮明にも覚えていないもどかしさだけが込み上がってきます。
だいぶ複雑にからまる対人関係をここまで
後味良く綺麗に表現できているなあと感じています。

人の痛みや嘘を全て含めてその人である

素敵な考え方だと思ったのと同時に
人間の愚かさや弱さが垣間見えた3時間でした。
みさき

みさきの感想・評価

4.0
TOHOシネマズ日比谷にて舞台挨拶付きの回を鑑賞。

カンヌ国際映画祭にて日本人初受賞の脚本賞を含む四冠を達成した本作。村上春樹さんの原作は未読だが、全く飽きることはなく、あっという間の3時間だった。

序章と呼ぶのが正しいかは分からないが、
タイトルが出てくるまでの物語が、この映画の最後にまでとても重大になってくる。最後の最後まで色褪せない。ふと場面が頭によみがえってくる。それがとてもすごいと感じた。冒頭で感じた少しの疑問が物語の鍵となっていることもあった。巧みな脚本、演出に感じた。

劇中で登場する舞台の演出もシンプルにそれだけで心を打たれたし、家福とみさきの距離が徐々に近づく過程の丁寧な描き方、そしてタイトルにもなっている場面によって描き方を変えたドライブのシーン。それらを盛り込ませるにはやはり3時間必要だ、全く無駄のない3時間だと思った。

そして、映画全体を通して画も美しい。広島を中心に日本の素敵な風景を切り取った場面や、車を走らせる道路…。写真にしたい場面がすごく多かった。

上手く言葉で表すのは難しいけれどここでは書ききれない大事なメッセージを多く含んでいる作品だったと思う。ぜひ1度は見てほしい作品。
こーじ

こーじの感想・評価

4.5
傑作が過ぎるのではないか。それもたまたま撮れた傑作ではなく、丁寧に粘り強く映画を作っていったのが、結果しか残らないはずのシーンから感じ取れる。全てのシーンが素晴らしく、文句のつけようがない。俳優さんは勿論皆素晴らしかったが、岡田将生がここまで良いとは、、、正直侮っていたし、一番の驚きだった。丁寧に、丁寧物語を紡ぐこと、その事自体が感動的になり得るのだと、この映画から教えてもらった。そして、それは僕たちが日々を丁寧に生きることの重要性を教えてくれているかのようだった。
ぴな

ぴなの感想・評価

4.5
スクリーン1

初日舞台挨拶にて。
濱口竜介監督、西島秀俊さん、岡田将生くん登壇。

色んな意味で衝撃的な序盤。
淡々とした静かな物語なのに3時間があっという間で、不可解に思った部分も後々腑に落ちるし、戯曲の絡ませ方といい、全てが良く練られた脚本だなぁと素人ながらに思った。
俯瞰して観たり、その場にいるような錯覚に陥ったり。
家福より先に理解していたであろう高槻は、相手のことも含めて全てを受け入れていたんだろうな。
車中のシーンは目が離せなかったし、聞いていた通り岡田将生くんの演技にとても圧倒された。
自分の心と向き合った家福が絞り出す声が刺さる。
ずっと無表情なみさきのラストの対比も良かった。

憎む相手がいた方がずっと楽だし、全てを抱えて生きていくのは辛いけど、自分次第で世界は変わる。
免許持ってないけど、どこかあてもなく遠くに車をひた走らせたくなるなぁ。

あと、西島さんの舞台も見てみたいなぁと思った。
maruyanma

maruyanmaの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい。
間違いなく現時点で今年1番。

村上春樹だいすきで、原作も読んでるけど、かなり設定変わってて、最初あれ?となったけど、観ていくうちに、不思議と村上春樹作品を強く感じたし、それ以上のものも感じた。

ドライブ・マイ・カーが収録されてる短編集「女のいない男たち」に収録されてるシェエラザードの話も入ってたりするので、もはや原作とほぼ違う作品かもしれない。車が黄色ではなく赤なのも、原作と一線を画してる示唆なのかなと思うほど。

3時間もある作品だけどほんとに早く感じた。作品の登場人物のどこかの部分が、観る人のどこかの部分に完全に重なるからかもしれない。少なくとも僕はそうだった。

特に岡田将生の車の中での長い語りのシーンは、思い出すだけで力が入るし鳥肌がたつ。凄まじかった。

あと三浦透子さんは前から大ファンで、でもそれを抜きにしても本当にすごい演技だった。

もう一回行こうかな。禁煙してるけどタバコ吸いたくなった。

(追記)
2回目鑑賞

ワーニャ伯父さんの印象的なシーンが重要な局面で形を変えて使われているところ、ヤツメウナギの話が、取り方によっては家福に対する音の気持ちそのものに受け取れる所、高槻が語る自分と向き合うことの高槻が語るからこその難しさの表現、吉田大八監督のカメオ出演シーンをあらためて確認できて満足。しばらく映画の事ばかり考えそう。
凄い……。
本を読んでるような、全ての言動・行動・演出に複数の意味を感じさせるような映画だった。

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