ドライブ・マイ・カーの作品情報・感想・評価 - 494ページ目

「ドライブ・マイ・カー」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

珍しく公開初日に見ました。しかも『孤狼の血 Level2』との二本立て。強引な「広島つながり」。

で、こちらの感想ですが、
上映3時間を感じさせない構成。現代と舞台『ワーニャ伯父さん』のお話しの二つが平行に描かれていて、セリフや描写を同調させたり輻輳させたりしている、と書くと複雑そうにも感じるけれど、ノンストレス。
自称ハルキストな私なので原作を読んでないと思うけど、終盤の三浦さんの役の母の人格の話は、小説ならありだけど、実写だと一般的ではない例のような気がして、ファンタジー感が出てしまったような。でも、そこが村上春樹なんだよね。
役者さんも適材適所。西島さんの朴訥とした台詞回しを初めて良いと思いました。岡田くんのイヤな奴の芝居も久しぶりに観たような。

原作を図書館で探してみよう。『ワーニャ伯父さん』もだいぶ前に舞台で観たけれど改めて読もうかしら。
c5

c5の感想・評価

4.3
◯浸る。濱口竜介作品を観た時にいつも感じるのだが、画面がこちらまで浸透してきて一体となる感覚とゆらゆらと漂うな浮遊感といういう矛盾した感覚を味わう。

◯原作は村上春樹の短編集『女のいない男たち』。観る直前に知ったのだが、「ドライブ・マイ・カー」だけでなく他の所収作品のストーリーも含まれているらしく、中途半端なことをしてしまったと後悔。

◯さて、肝心の映画なのだが、とても面白かった。原作にはない展開、岡田将生のぞくっとする演技。濱口竜介といったらやっぱりワークショップでしょって感じのワークショップ。サーブ9000🚘うひゃーかっけェ。

◯よき純文学というのはミステリー小説よりミステリー。決して全てを作中で謎解きしてくれることはなく、謎は謎のまま。でもそれが限りなく我々が生きている世界に近いのです。

◯3時間という長尺ですが、必要なものを積み重ねていった結果の3時間という感じで全く無駄に感じません。
o

oの感想・評価

5.0
ずっと観たかった濱口竜介監督の映画

妻に対する愛、不信感、怒りに背を向け車を走らせること、つまりは現在と未来から遠ざかること、男はひとり車内で妻が録音したテープを流しては過去(間違った選択をした自分)へ自問自答を繰り返す。誰も乗せることはなかった妻と自分だけの特別な空間に他者が介入したことにより、静止していた時間が動き始める。相手の感情に自分を捧げることで、それと同じことが自分にも起こる、これは演技すること、人生を歩むことにも言えるのか。
reogaru

reogaruの感想・評価

4.0
突然の妻の死
確かに愛していたし
愛されていた
本当の自分 本当の妻…
心のわだかまりがとれない
そんな中出会った運転手の女性
彼女も辛く厳しい過去を抱えていた
歳も生きてきた環境も
全く違う2人が
お互いに話し理解し
心の奥に固まったわだかまりが
少しずつ溶けて行く

大事な人を亡くし
遺された者の消える事のない
納得のいかない感情
重い課題です
YukiKoike

YukiKoikeの感想・評価

4.5
2つ、自分には合わなかったところ。1つは、岡田将生そこで泣くかな?というのと、もう1つは、西島秀俊の告白に三浦透子が自分の辛い話を被せるとこ。ちょっとウェットに過ぎるなと。
一

一の感想・評価

4.1
濱口竜介監督作品

今年は『偶然と想像』でもベルリン国際映画祭で銀熊賞受賞し、今最もノリに乗っている濱口竜介監督ですが、本作はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、いくつもの海外メディアの星取表などの下馬評では、カラックス、ファルハディ、オーディアール、アピチャッポン、バーホーベン、ナンニ・モレッティ、ウェス・アンダーソン、ショーン・ベイカー、フランソワ・オゾン、などといった錚々たる監督達を抑えて、トップを独走するほど絶賛レビューが相次いでいたため、個人的にはパルムドール受賞というのをかなり期待していたのですが、結果的には審査員長スパイク・リーらしいという感じの選出止まりで正直がっかりではあったのですが、日本映画では初となる脚本賞受賞というだけでもめちゃめちゃ大快挙
そんなこんなで、今日という公開日を心待ちにしておりました

まず最初の感想としては文句なしの傑作で、非の打ち所がないほど磨き上げられた芸術的な作品と言える
ですから当然、文学的な表現強めなので各々での咀嚼が必須だし、エンタメ性も希薄なので、万人受けというよりは比較的観る人を選ぶ作品だとは思います

とはいえ3時間という尺でも、圧倒的な演出力と隙のない脚本で時間を忘れるほど見入ってしまうので、興味があるのに時間がネックになっているという方は、とりあえず観る事を強くおすすめします

様々な引用を駆使したひとつひとつの洗練された流麗なセリフの数々や、近年の邦画最高クラスの美しい構図や映像にみとれながら、劇中に出てくる真っ赤なサーブ900の映え方はちょっと異常なレベルに鮮烈で、一瞬にして心を奪われてしまった
このサーブ900を巧みに使った名シーンがあまりにも多すぎるせいか、観終わった今でも、まるで車に恋をしてしまったと錯覚するほど脳裏に焼き付いて離れない

そんなサーブ900の車内で繰り返し再生されるは、妻の声が吹き込まれたチェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』のカセットテープ
そうして何度も『ワーニャ伯父さん』を主人公と重ね合わせるようにし、徐々に自己回復のドラマを築き上げていく緻密なプロット

過去作のワークショップや劇中劇なんかと重なるように、本読み作業が丁寧に描かれていたりと、濱口竜介監督らしい演出が冴え渡る

鏡を上手に使った画の魅せ方も非常に印象に残るし、タバコなんか一切吸っていない自分ですら、思わず吸いたいという衝動に駆られるくらいの抜きん出た圧倒的“画”力

本作は静寂の中にある様々な面での音響も素晴らしく、エンジン音にまざりながら車内に響く霧島れいかの誘惑的な声、少年のような声でありながら溢れ出る色気を持った西島秀俊の声、石橋英子の天才的な音楽など、とにかく耳が幸せな作品でもある

まるで妻を失い喪失感を抱えながら生きている主人公と並行するかのように、紡ぐようにしてゆったりと静謐な語り口にもかかわらず、緊張感の持続と妙に迫力のある脚本で、半ば強制的に観る者の感情を引きずり出されてしまう
そうして気づけば、紛れもなく濱口竜介にしか作り得ない“自動車映画”へと見事に昇華されてしまうとなればもうお手上げ

西島秀俊・岡田将生・三浦透子・霧島れいか
この主要キャスト陣が本当に最高で、映画を観てからではこの四人以外考えられないというくらい完璧なキャスティング
全員が全員どこか不気味でミステリアス
直接的な描写がない役でも、不思議と妖艶に見えてくるほど魅惑的
ちなみに寡黙なドライバー役の三浦透子は、元々運転免許を持っておらず、本作演じる為に取得したというから驚いた

そんな完璧すぎる四人の脇を固める様々な国籍の素晴らしい役者さん達も、誰ひとりとして浮くこともなければ違和感なく演じきっています
特に手話を使って会話する、パク・ユリムとジン・デヨン等と食卓を囲ってほのぼのとしたやりとりをするシーンが大好き
それにしても不意に吉田大八監督を出すのは反則

ネタバレを食らいたくなかったので、あえて村上春樹氏の原作は一切読まずに挑みましたが、膨らますために他の作品も上手に使っていたりと、かなりアレンジを加えているからこその長尺とのこと
原作を読んでからもう一度鑑賞すればまた新たな視点で楽しめそうなので、とりあえず原作の短編を読んでみようと思います

兎にも角にも、起伏もなければあらゆる意味で地味な作品ですが、まずこの映画を大きなスクリーンで観られたことに感謝
3時間もの大作ですが、何度でも観たくなる傑作
そして商業2作目にして、早くも巨匠の領域に到達してしまった濱口竜介監督の今後にも期待しかない

〈 Rotten Tomatoes 🍅100% 🍿-% 〉
〈 IMDb ※7.8 / Metascore 89 / Letterboxd ※3.9 〉

2021 劇場鑑賞 No.052
kst

kstの感想・評価

4.1
読み合わせが始まった時はカタチが見えなかった演劇。登場人物たちの抱えるモノが次第に見えてくる。
相手を知ること。自分を知ること。
ゴミ処理施設でみさきが自分の過去を話し始めたところで、変化を予感した。北海道行きが良かった。
決して文学に明るいわけではないのでおこがましいのは百も承知で、まるで素晴らしい長篇小説を読んだかのような充足感と心地よい疲労感。
途中で中断できなくて思い切って読み切った時のあの感じに似ている。
特に衝撃的な出来事や急展開も静かな演出で描き切って観客の想像力に訴えかける部分が多かったからそう感じたのか、雄弁でありながら無駄に口を開かないそんな印象。

村上春樹は学生時代に数作触れた程度だけど、見事に世界観を映像表現されていたように感じる。どれだけの畏敬と愛情をもって制作に臨んだのかが伺える渾身の傑作でした。

3時間の作品と身構えたけれど、見終わればあっというまだったなと感じるほど。
kapo

kapoの感想・評価

4.3
自己対峙という人間がもっとも
避けて生きるテーマを、
よくこんなにもアレやコレやと
縦横無尽に駆け巡って描けるなと
関心してたら、
村上春樹の原作だった。

という事すら知らず
知識ゼロで挑んだこちら、
胸焼けしそうな位の濃厚さ、
分厚く3時間という長丁場なのに、
もっともっと!とお代わりしたくなる
運びが素晴らしかった。

登場人物達を一言で表すなら、
「美しきメンヘラたち」。

最後はとても愛おしい気持ちに。
過酷な現実とそれに伴う心。
感情の折り合い点や
温度感の表現が秀逸で、
フェイクとリアルの泥仕合みたいな
展開も面白く、
文学との兼ね合いもバカな私でも
十分にときめいた。

多様性とは理解する事ではなく、
そのものを「そのもの」として
ただ見る、と言うのが最近の
発見で、まさにそんな感覚にも通づる
ところがあった。

ロケーション、演技、台詞、
全てに力が注がれているのが分かるし、
静かに激しく燃える映画だった。

岡田将生が終始アクサダイレクト感が
あったのに、
終盤グッと来るのも良かったなー。
個人的には三浦透子と手話のイ・ユナが
物凄く好きだった。
脚本賞摂ったのも納得。
美しいオシャレなうんちくって感じ。

久々に面白い邦画観たなぁ。
jugonman

jugonmanの感想・評価

4.0
当たり前のように良かった訳だが、
ハッピーアワー5時間超に比べて長く感じる現象が寝ても覚めてもより強く、引き続き起こっている点について考えたい気持ちもある。
シネフィル的抒情への嫌悪、あるいは村上春樹へのアンチ的言説への安易な身のゆだね、
これらを自分へと厳しく禁じながら、
良いものは良い、つまらないものはつまらないと言える自分になりたい。
音さんは深く愛していた、矛盾なく他の男を求めた。
正しく傷つくべきだった…

村上春樹って僕とかけ離れすぎてるのかなあ…

でも僕と春樹さんはビートルズネタで繋がることができる!🙂

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