KosugiShuhei

浜の朝日の嘘つきどもとのKosugiShuheiのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
3.8
コロナ不況の中、映画ではお腹は膨れない。映画を見る、だけであればサブスクでこと足りる。映画館が残る理由とは何だろうか。

100年続いた福島県南相馬のミニシアターが閉館する。館長の柳家喬太郎にも、館長としての矜恃はあるけれど時代の流れには逆らえない。

そんな喬太郎の元に、ミニシアター復活を
遂げるために高畑充希が訪れる。かつての震災から自分を立ち上がらせてくれた恩師(オアシズ大久保)と、映画のために。

全編通してのメインキャストは高畑充希、柳家喬太郎、オアシズ大久保の3人(うち2人は芸人が本業)。もちろん2人の演技も上手いんだけど、高畑充希が入ることでまとまりと説得力が出て、高畑充希ってすごいんだって実感した。

かつての震災、昨今のコロナ。有事の際にお腹を満たせる物ではないけど、映画(館)っていい場所だよなあって思える。特に物語中盤で柳家喬太郎がクラファン向けに語ったセリフには、柳家喬太郎の寄席に対する思いも重なってる気がしてグッとくる。

ちなみに柳家喬太郎ことキョンキョンは、新作も良いけど古典も良い。オススメは宮戸川(後編)です。
KosugiShuhei

KosugiShuhei