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ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウトのtsuraのレビュー・感想・評価

3.6
filmarks オンライン試写会にて。

レズビアンカップルのハーパーとアビーは付き合って約一年。各々クリスマスは別の予定を計画していたが、ハーパーの実家へクリスマスを過ごすこととなった事から巻き起こる狂想曲。

到着寸前でハーパーは自分の事をカミングアウトしてなかったのだから!

そこからまあ兎に角、アビーをルームメイトとしてひた隠しにすること!

でも次第にそんなメッキは剥がれていき…

ホリデーシーズンの淡いロマンチックな雰囲気とアメリカ特有のコメディにあるドタバタ展開、そしてラブストーリーの側面も顔出しながら「ミート・ザ・ペアレンツ」的な秘密を抱えた家族モノと設定盛りだくさんで更にLGBTQという時代の潮流にもアジャスト。

この時期のハッピーにさせてくれる作品としては、申し分無いくらいの見応えとちゃんと大人が楽しめる切ないビターな感じも出てて、個人的には凄く楽しめた👏

それになんといってもこの作品のディーバだろうクリステン・スチュワート!で彼女の魅力は今作でも大爆発でした!
特に彼女が募らせる不安や苛立ち、相手への想いなどを明るい作風に関係なく良い演技と雰囲気を発揮していた。
やっぱりこういったコメディ色強い作品でもシリアスな演技が比較的多い俳優が更に作品で花開いてくれると嬉しい。

キャストも実は楽しめるポイントで、
父親役には「タイタニック」でも良い雰囲気を出していたヴィクター・ガーバー、その妻役には「BTTF3」のメアリー・スティーンバージェンが出ておりそれらのチョイスには思わず笑みも溢れたり。

映画の設定はクリスマス下に於けるストーリーではあったが、シーンを問わず見て楽しめる作品だったと思う!
(勿論、多少強引な設定やら展開、とりわけ母親の終盤の変容ぶりはさながら関ヶ原の合戦でいう小早川秀秋もびっくりだったし、流石にリアリティには欠けており、折角盛り上がった雰囲気を少し壊した印象は否めないが、それでもこの手の作品が担うエネルギーまで落とした感はない)

こういった作品がこれから少しずつでも増えて多様性という言葉ももっと馴染み、夫々の立ち位置がポピュラーな世界になって欲しい。だからこれくらいオーバーな展開でも今はいいかもしれない。


余談だが、監督は女優としても活躍しているクレア・デュバルなのだが、ハーパーの妹の部屋のクローゼットに貼られていたポスターがジョシュ・ハートネットで2人はロバート・ロドリゲス監督の「パラサイト」で共演しておりその辺の小ネタは思わず笑ってしまった。
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