※原作未読
"3.11"といった直接的なワードは出てこないものの、あの震災後の沿岸部にある街が舞台の物語。
全体的にゆったりとした時間の流れであり、カットが直ぐに切り替わらないテンポ感。冒頭では約2分間キャラがセリフを発さず歩く様子を街の様子と共に映す導入で目を引く。
反面、終盤のアクションパートの描写はあっさりとしていて、昔話に反しあまり苦戦している感じが伝わらないのがもったいなかった。
作画面では、絵柄がガラッと変わる昔話シーン、終盤の雷エフェクトが見所。
震災関連の描写は原作から変更されているようで、発生時の様子が映されることはない。
また、状況の深刻さに焦点を当てた描写もほぼなく重苦しい作品ではない。本作は人間の感情と自然による二次被害が鍵となっており、震災そのものというよりはそれに起因した物語という印象が強い作品だった。
