シンプルなストーリーなのに、ラストまで飽きさせず楽しませてもらいました。ジェニファー・ジェイソン・リーにも久しぶりに会えた。あまりにも神出鬼没過ぎるあたりには、さすがにどうやったんだよ、と思わなくもないが、まぁ、そういうことを指摘するのも野暮な話だね。
殺人鬼の青い目が良かった。
アメリカの何もない荒野をひたすら走る。時々ガソリンスタンドやダイナーが出てきて、砂埃がすごい。もうこれだけで映画としては勝ち。
『ノーカントリー』の雰囲気も思い出した。
所在の分からない無敵の殺人鬼ってのは、確かにノーランのジョーカーの設定に似ていた。
誰にでも縁を切りたいなぁと思う人が一人や二人はいると思う。まぁ、なかなか切れなくて苦労するし、あれこれ策を講じるけれど、縁を切りたいのはこちらだけだから、まったく断てない。
主人公が逃げなかったのが良かった。役目を背負うようなもので、やるしかない時がある。いつかは向かい合って方を付けなければな、と僕も靴紐を結び直す気持ちになった。
なんで巻き込まれてしまったのかとか、どうして自分なのかに理由はいつもない。まさに何もかも事故みたいなもの。
また、執着の話でもあった。自分を本当に生きていると思わせてくれる人を見つけたら、その手を離してはいけない。まぁでも、魅入られた側からしたら、たまったもんじゃないけどね汗