山野根

天空の結婚式の山野根のレビュー・感想・評価

天空の結婚式(2018年製作の映画)
3.7
イタリアのゲイカップルが、片方の故郷チヴィタ・ディ・バニョレージョで、両親を説得して結婚式を挙げるために奮闘するコメディ映画。
世界各地で上演されている人気舞台『My Big Gay Italian Wedding』が原案。
日本では『最初で最後のキス』の日本イタリア映画社が提供ということで、観るのを楽しみにしていました。

同性婚の他にも、難民受け入れやヴィーガンなど、左寄りな政治的キーワードをコミカルに風刺しているのですが、日本人と笑いのツボが違うというか、カルチャーギャップ的なものを感じてしまいました。
だいたい情緒不安定な登場人物の暴走がギャグになっているのですが、どこで笑って良いのか分からなくて呆気に取られている内に映画が終わってしまった、という感じです。
個人的には、ラストのミュージカルシーンでパオロの母親が無表情のまま踊っていたのが、一番面白かったです。

結婚式を挙げることに積極的だったアントニオの母親は、マイノリティに対してフレンドリーというよりも、メンヘラ気味でストーカー気質の元カノを息子から引き離すためなら同性の婚約者でも使う、という並々ならぬ決意の方が印象的でした(笑)
当初この映画は、同性婚に準ずる法律がなかったイタリアで声を上げるための物語にする予定だったそうですが、脚本を手掛けている最中にシビルユニオン法が可決されたので、途中から脚本の内容が大幅に変更されたそうです。
それで、物語がちょっとゴタついた印象になってしまったのかもしれませんね。

アントニオとパオロのカップルは、とても可愛らしかったです。
自分としては冒頭のプロポーズシーンとエンドロールのなんかロマンティックな歌だけでもう充分って気分でした。
作中で登場するウェディングプランナーのエンツォ・ミッチョは、イタリアでは有名人らしく、出演しているのは本人だそうです。ご存知!的な感じで出てきてましたが、知らんがな(笑)

舞台のチヴィタ・ディ・バニョレージョは、天空の城ラピュタのモデルにもなったそうで、邦題はそれに掛けているのかもしれません。
断崖絶壁に囲まれた絶景の中にある小さな町で、全体が一望できるシーンは、劇場で観たらキレイだっただろうなと思いました。
2、3日位こういう場所に宿泊して、景色を眺めながら無になって過ごしたいです。