Aya

ステージ・マザーのAyaのレビュー・感想・評価

ステージ・マザー(2020年製作の映画)
3.0
#twcn

20年前だったら良い映画だっただろうなぁ、と思いました。

Motherってキモいね。
テキサスっぽいね。

ジャッキーママンの歌う歌詞から連想されたトムヒとの思い出のおかげで加点!て感じですw

あのチェリーってタンジェリンの!!
今思い出したよw

ジャッキー・ウィーバーのイメージが「アニマル・キングダム」に固定されている私は嫌な予感しかしないのですがw声は可愛いのよ・・・。

(しかもこの日は"Babyteeth"とはしごしたので奇しくもアニマル・キングダム・デイw)

そんなジャッキーママンの息子、リッキーがテキサスから遠く離れたサンフランシスコで亡くなったとの知らせを受けお葬式に参列しに出かける。

リッキーはママンが愛する一人息子。
彼女がドラァグクィーンとして働いていたショーバーでドラッグ中毒で倒れたのだ。

そこで待っていたのはリッキーのパートナーのエイドリアン・グレニアー!!
「プラダを着た悪魔」でおなじみ。

2010年には「ティーンエイジ・パパラッチ」で自らのドキュメンタリー作品を作り(しかも劇中主人公の少年のための粋な計いもする)、今回歌までうたうの?!と思ったら歌は下手くそでよかったw

そんななんでもできるハンサムつまんないもん!
(ナニコレw)

で、リッキーはエイドリアンと結婚してなかったのでバーの権利や口座、家など彼の全てを相続できない。
法律上「家族」であるジャッキーママに。

なんかめっちゃリッキーに嫌われてて可哀想やってんけど、話聞いてたら別にリッキーはママンが大好きだからこそ認めてほしい、という思いが強くて結婚してなかったわけで、エイドリアンがママンにあんなキツいのは自分が嫌いやからやろ?

バーがママンのプロデュースでうまくいった後の手のひら返しなw
単純にええ話ではなく愛する人を亡くした「家族」同士初めて心を許して涙を流せたからだと思いたい!

ママンは最初はギョッとするものの、すぐにこのバーに勤めるドラァグクイーン達と仲良くなりw慕われ、彼女のアドバイスでリップシンクではなく生歌をショーに加えることであっさり成功するバー。

元々この店のパフォーマンス時代遅れでクソダサかったから、そりゃちょっとテコ入れすれば違うだろうけど。

・・・。

すげぇ、全てが簡単ですね。
葛藤とか悩みとか差別とかわかりやすい壁にもぶつからない。
その後のテキーラママンの件も含めて。
なんの苦労もない。

なんだったら高級ホテルのロマンスグレーなジェントルメンとの蜜月もあるし!

この人、独身貴族過ぎて絶対ウソよ。
あんな素敵で誠実な人モテまくりやろうになんで田舎の保守ババアに惹かれたんだろ??

このママンはテキサスで夫に従って生きてきて、教会とその知り合い家族というステレオタイプな女性差別の中で暮らしてきた。

だからこの映画には女性の生きづらさも少しだけ描かれてます。

ぶっちゃけあのコンシェルジュダンディの件すらジャッキーママンの魅力のおかげと考えると、やはり男性の消費的な女性性の搾取はこの映画であっさり描かれているわけで、そのわりにばーの彼女たちの搾取については触れられず・・・めっちゃモヤっとする。

結局は愛より正しさをとったのよママン。
それだけパパンはクソ野郎だけど彼の愛はママンの求める愛とは違ったというだけの良くある熟年夫婦の危機レベルかと。

じゃあサンフランシスコのバーの仲間たちとママンの間に愛があったのか?
そこまでは掘り下げられないので、ママンの心情変化や今までの全てを捨てる理由付けとしてもとても弱い。

もう一人肝心な登場人物はリッキーの親友のシングルマザー、我らがルーシー・リューお姉様。

Wow!!
50歳をとうに超えてなんたるスタイルの良さと健在のカリスマ的存在感!

そんなルーシーお姉様がクソ男にDVされてる時のジャッキーママンカッコよかったよね!

バッグからペッパースプレー出したのかと思ったらでっかいピストル出すんだもんさすがテキサス女って感じww

ああいう暴力に驚きを見せず冷静に対処する様は明らかに自分にも経験があるような印象・・・闇深いのにそこは特に描かれないのもいまひとつ足りず、惜しいなぁと。

ていうか!!
飛行機でサンフランシスコに来たのにそのどデカいS&Wどうやって持ってきたのw

映画内の全てが順風満帆で、ママンがニュートラルに今まで全く縁のなかったドラァグクィーンコミュニティと馴染み、バーも大繁盛!
自分の殻も破り・・・というチャンチャンENDもつまんないっちゃーつまんない。

歌のシーンは素敵なんですけどねぇ。
音楽を扱った映画にある多幸感はなかったかな。
多分苦労してたり練習してるシークエンスが短過ぎて、やっぱり簡単に成功しましたね感が否めない。

バーテンが上半身裸で蝶ネクタイは、ごちそうさまです!

ラストにジャッキーママンがボニー・タイラーの"Total Eclipse of the Heart"を素晴らしい演出で歌っている時に「Turn around」と繰り返される時にトム・ヒドルストンを思い出した人は握手!

もしあなたがTurn aroundされた人なら友達になりましょう!


日本語字幕:出井 裕子
Aya

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