TaKeiteaZy

エスター ファースト・キルのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

4.5
あの「エスター」がどうやってアメリカの家庭に来ることが出来たのか!前作の前日譚を14年経った今観る話!

おいおい今あの話の前日譚て。イザベルももう充分育って成人だし、なんか変な感じになっちゃわない?三石琴乃が今セーラームーンやっても、なかなかどうしてミサトさんだったよ?と思い、かつなぜかこの片田舎でロードショーしてるので、これは「同じ匂い」の人間がイオンシネマにいるにちがいない!て嬉しくなって友人と見に行きました。

まず、前作必須なことはご愛嬌。逆に観るのも味が違って面白いのかもしれないけど、そうすると肉のないすき焼き食うみたいになるんじゃないかな。と思います。いきなりこっから観る人は、もはや誰かに無理や連れて来られた人くらいだろう。やはり公開順がおすすめです。

まず一番心配していた成人したイザベルが続投する件については、製作側の絶え間ない努力が伝わり、ちょっと現場を想像すると酔ってしまうほど、「何も感じなかった」。まずこれがこの作品の凄えところだったな。エスター=イザベル・ファーマンだ!という拘りの局地。どれだけのトリックを用意しないとダメなのか、想像に難いです。お見事、感服。たとえ時間が経ってもイザベルは完璧にエスターを自分のものにしています。前日譚なのに、前作と全てが全く逆のエネルギーで動いてるのが面白いよね。

あと、ひとつ間違えると前作のコピーになってしまいそうなところなのに、中盤で強烈に潮目が変わって観る側が翻弄される仕組みも秀逸でした。そりゃ、一筋縄ではいかないわな。前作も踏まえた全ての要素を使って成立した現代の続編映画の作り方の見本じゃなかろうか。この辺、スパイダーマンNWHあたりから、映画の続編の作り方が変わってきている感じがするね。

観た後友人と「エスターとは」論争で白熱でき、こういう楽しみ方させてくれる映画、やっぱ良いなと思いました。40過ぎたおっさんが白熱すべき議論じゃねえけどね。

あと余談としては劇中歌がオルタナティブロックファンには刺さるね。突然InterpolのEvilがかかったり。また、とあるシーンで流れたこの曲が気になって調べたんですが、それなりにその近辺の音楽知ってるつもりの自分も知らないthe Juliana theoryていうバンドの曲がすごい良かったです。Tooth & Nailsにこんなバンドいたんだなあ。同じく気になった人のために。

The Juliana Theory/We're At The Top Of The World
https://www.youtube.com/watch?v=lH0U7gi1feU
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