ボニー&クライドの劣化版
正統派クライムムービー
Wannabe
少年の成長モノ
淡い青春苛立ちと憧れをクライムモノで表現した映画。突然登場したならず者アリソンは銀河鉄道999のメーテルそのもので主人公ユージンは鉄郎だ。メーテルは少年を閉じ込められた世界から引っ張り出し、少年は大人になった。
1930年代のテキサスはどこまでも続く荒野。友人はカリフォルニアへ旅立つという。
ユージンは5歳の時に自分を捨てた実父を慕っていながらも、仕事もしないで義父の世話になっている。今でいうところのニート、何してないろくでなしだ。
そんなユージンのところに銀行強盗で手配中の美女・アリソンが逃げてくる。さあ、ユージンはどうするか。というところで、物語は動き出す。
コレは監督の夢なのだろうか。
時代背景を描くには少々中途半端、登場人物も人間的に柔らかい。当時は不況、何もないテキサスで生き抜くには現代的倫理観では生きていけない。もっとガサツで荒いはずだ。幼い妹が語り部というのも観客に媚を売っている。キレイにまとめず、もっとラフで雑でダイナミックな作品にすればいいのに。
コレは監督の心の中を描いたアートフィルムと思えばいいのか。アートならもっと遊んでも良かったはず。
マーゴット・ロビーは恐ろしく美しく、主人公のフィン・コールは無駄にいい身体、素材と舞台を活かして思うままの作品にして欲しかった。