ジャンリュック

あの夜、マイアミでのジャンリュックのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
4.0
この映画の予習に観たNetflixの『リマスター:サム・クック』の中で、本物のジム・ブラウンが「あの夜」のことを語っていた。

「マルコムX,サム・クック,アリ,そして私(ジム・ブラウン)、同じ時間・同じ場所に揃うのは稀な体験だった。」
「あの晩皆で黒人モーテルに集まった。」
「腹を割って話した。立ち上がることが最も大事だと。劣った二流市民とみなされることを断固拒否した」

この映画の会話自体はフィクションだけど、「あの夜」に4人が集結して話し合ったことは事実であるということ。
この時点で既に凄いドラマだと思う。

アリが世界タイトル初戴冠したというそれだけでも歴史的な日に、それぞれの分野で名を残す4人が集まって、しかもその内2人はまもなく亡くなってしまうという、まさに歴史的で奇跡的な夜。

この映画の会話も、いかにもこんな話をしたんじゃないかという説得力があるし、4人の考え方の違いが分かりやすく示されている。

とにかく言葉の1つ1つが重くて鋭い。
1つも聞き漏らしたくないと思えるような、濃密な会話。会話劇にありがちな単調さなど微塵も感じられない。

個人的に心に残ったのは、
黒人の中での肌の色による意識の違いとか、
マルコムからサムへの“プレゼント”かな。
プレゼントが何か、ピンと来てしまった。

僕にとって、これまで観たBLM映画の中でも屈指の一作。多様な立場や意見を闘わせることによる重層的な厚みと、その一方でストレートな伝わりやすさ。
会話劇なのに‥なのか、
会話劇だから‥なのか?🤔



🥊アリのパフォーマンスの再現度!
これも素晴らしい!