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あの夜、マイアミでのKUBOのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
3.6
アカデミー賞の発表前に、日本で見られるノミネート作品をできるだけ見ちゃおうシリーズ2作目は、レスリー・オドム・Jr. が助演男優賞にノミネートされている『あの夜、マイアミで』。

モハメド・アリが初めて世界チャンピオンになった夜、試合を応援に来ていたアリの友人たち、サム・クック、ジム・ブラウン(NFL)、そしてマルコムXがアリと同じ部屋に集まって一晩中4人で話し込むお話。

1964年当時のアメリカの有名な黒人同士ということで、初めはアリの祝勝会で和やかな4人だったが、バンバン突っ込むマルコムXに次第に険悪なムードに変わっていく。

特にレスリー・オドム・Jr. 演じるサム・クックへの突っ込み方が辛辣。当時スーパースターだったサム・クックにボブ・ディランの『風に吹かれて』を聴かせて「白人がメッセージソングを歌っているのに、なんでお前はラブソングばかりなんだ!」と絡みまくる。

このマルコムXとの口論のシーンから、この口論を受けてのラストの ”Speak Now” の熱唱まで、他の3人より難しい役どころを演じきったところが助演男優賞ノミネートの意味だろう。

監督は、あの女優のレジーナ・キング。昨年『ウォッチメン』の熱演も記憶に新しいが、監督としてもこんな作品を撮るのね。

「事実にインスパイアされて」とあるが、どこまで事実なのかなぁ? 4人がこの夜会ったってことだけかな? でもそこからインスパイアされた濃厚な会話劇はなかなかおもしろかった。

この4人を知っていることが前提的な作品だけに、少なくともマルコムXくらいは勉強してから見た方がいいかも。
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