OmmyOmbourne

クラッシュ 4K無修正版のOmmyOmbourneのレビュー・感想・評価

クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)
3.5
自動車事故により何針も縫うような怪我をすることは破壊ではなく生産であり、性的な開放であると捉える人たち、つまりスリルで欲求不満を解消するフェティシストの世界に、主人公のCMディレクターが不慮の事故の後に自然とのめり込んでいく映画である。

とてもインモラルだが決して混沌としているとは思わない。
単純にエロスとタナトスが直結していた。

フェティシストがそれを愛してやまないぐらい魅力的に見せるために映像の色気はすばらしい。
車の中で見せる女の腿の手術後の傷跡の裂け目は暗い深淵に見えるし、それをゆっくりと愛撫するという主人公の行動も当然のことだと思えるぐらいだった。
洗車場で車が回転するブラシを通り泡に塗れて濡れていく様子が車中から見た窓ガラスを通した画で映り、その間、不貞のカーセックスで身体を弄りあっているシーンが1番良かった。

思えば、車とセックスは乗って操るものであることや体の中のエンジンがピストン運動をするものという共通点があり、喩えられてきた密接な関係だ。
愛車という言葉が一般的であるほど、車は便利な物であると同時に相棒たるものであることも例えられる要因の1つだが、ゆえに自動車事故の性質はレイプに近いと感じた。
だから結末には破滅するしか無かったのだと思った。