このレビューはネタバレを含みます
素晴らしい。
暴力にカタルシスを得るという観点でも「ファイトクラブ」とかなり共通点があると感じた。より新しい作品を持ってくるのが正しい比較かは分からないが…
当作は暴力よりも性に偏っていると言えば簡単に説明がつくかもしれないが、個人的には性はオマケでしかないと思っている。
ヴォーンを見れば明らかで、彼にとってカークラッシュは対物性愛という性的な欲求を満たす行為に留まらず、死に直面した時の興奮こそが何より彼を虜にしている。
性の快感がアブナイ誘惑に繋がりやすいために、ヴォーンは人を導入する入口に置いているのでは、と予想している。
カークラッシュで絶頂を感じるというトンデモな感性を抜きにしてみれば、この映画は極めて単純なストーリーだ。
人生に充実を得られていない主人公(達)が、心を満たしてくれるものに出会うという、
ただそれだけ。