この手の映画ってパッケージ詐欺が多いけど、本作はちゃんとパッケージ通りのマシーンが出てくる。
だが、ストーリーはどっから突っ込んでいいやら…。
まず、スマホのSDカードでさえ挿入口がカバーで覆われてるのに、何で殺人マシーンの大事なモジュールがむき出しのまま後頭部にささってんだよ!
そしてなぜかそのモジュールをピンポイントでガメる現地のガキ。
次に、殺人"マシーン"なのに射撃精度が低い!
まともに弾を当てれたのは序盤のヤクの売人に対してのみ。
その後、逃げる医学生たちを追跡しては撃ってくるが、これが中々当たらない。
まるでストーム・トルーパーと鬼ごっこしてるみたいで、この逃走劇に何の緊張感も感じ得ない。
マシーンを遠隔操作してる兵器会社の女性がこっそり恋人(?)にCIAがやってる事を密告しようとする下りも必要ないし、痕跡を残さないために街中で爆破を起こすという本末転倒な行為も意味不明。
まあ、話が荒唐無稽でも気合の入ったゴア描写やフレッシュな映像表現を見せてくれたら良いのだが、本作はそれも望めない。
マシーンだから現地の女子供も躊躇いなく撃ち殺していくけど、いかんせん淡白。
本作を観てると、スラッシャー映画の殺人鬼が銃を使わない理由がよく分かる。
ジェイソンやレザーフェイスが銃で一人ずつパンパンと射殺する光景は味も素っ気もなさすぎる。
銃を使わずに殺す場面もいくつかあるが、そこは直接見せてくれない。
自我に目覚めたマシーンが他のマシーンと闘う場面なんかもあるが、カチャカチャと地味な取っ組み合いをするだけ。
『アイ,ロボット』みたいに、人間には出来ない動きをする者同士の戦いを見せてほしい。
っていうか、現地に投入された4機のマシーンが途中からそれぞれ別行動を取り始めるが、見た目に差異がないのでどれがどのマシーンなのかが全然分からん。
マシーンは自爆するとその爆発の範囲は180mと言われているが、どう見ても劇中の爆発描写はそれに釣り合わないショボいものになっている。
マシーンのCG自体は一級のハリウッド映画と遜色ないが、あくまで"ガワ"が整ってるだけで、それ以上にマシーンやゴア描写をフェティッシュに見せようという気概が感じられなかった。