このレビューはネタバレを含みます
ゴーリキーのどん底に出てくるような人の話かと思っていたらそんなことなかった。
おそらく自由意思でなく疎外されたものたちのお話で、夢を持ちながら日々を支えあって暮らしている。みんな満たされない自己があるが、経済的な貧困とは無縁な暮らしのようだ。
映画では魔法による夢の消失が描かれた。夢があるから彼らが苦しむのだという理解からの行為であったが、それにより彼らのアイデンティティは無くなってしまう。魔法で夢を消したら幸せは得られなかった。
現実的には夢がなくなるのは魔法じゃなくて、諦めるか叶う時だろう。だから彼らが夢を持ち続けて支え合い続けるためには、それを叶えることも諦めることもなく生きていかなくてはならない。
おでこにはりつけられた絶対に食べることができない人参を追いかけ続けるウマがおそらく幸せなように、幸せの本質が実のところ描かれているのではないかな。
こども向けのアニメーションでこんなに考えなくてもいいだろうけど。