インドのカーストの根深さを
2時間強で
実にうまく
描ききっていた
私が見たインドの断片が
まさにここにあった
使用人は
人の形はしているけれど
人間にあらず
存在しないかのように
扱われたかと思えば
感情の捌け口にもされる
変えようのないその現実を
生き抜くには
感情を捨て去るしかない
私は忘れない
使用人たちの目を
あんなに物悲しく
怒りと諦めを孕んだ目を
見たことはない
インドは私を魅了して
止まない国ではあるけれど
カーストなくしては語れない
定められた生き方しか
許されない彼の国の人々の
幸せを勝手に願ってやまない
インドにはあれだけ
多くの神様がいるのだから
その中に1人くらい
救ってくれる神は存在しないのか?
インド…
動物は神聖だからと
危害は加えない
幸せな顔をした
野良牛がいる不思議な国
私は決して忘れない
あの幸せな牛の目も
床を這いつくばるように磨いていた
使用人の目も