らんらん

暁の追跡のらんらんのレビュー・感想・評価

暁の追跡(1950年製作の映画)
3.0
新東宝製作、市川崑の監督作品
地味にさりげなく出てくるんだけど出演者はなかなか豪華(ちなみに北林谷栄がおばあちゃん役じゃない映画)

【あらすじ】
新橋の交番で巡査をしている池部良は取り調べ中に逃走した男を追うのだが、無我夢中で逃げる男は線路に入り込んでしまい電車に轢かれてしまうのであった

自分が追わなければ死ぬことはなかったんじゃないか、残された家族の悲しみ、これからの生活はどうなる?などと気に病んだ池部良は家族のもとを訪れるのですが激しく非難されさらに落ち込みます

それとは正反対にドライな同僚(水島道太郎)や、それ以前にやる気のない不真面目な同僚(伊藤雄之助)とは違い割り切って仕事をすることができない池部良はいっそ警察を辞めようかと職探しをするのですが、、、

【感想】
基本的にいたって真面目なドラマなんだけど前半の感じは「警察日記」や「風流交番日記」なんかの人情喜劇とも似たようなところもある

緊張と緩和の如く、所々伊藤雄之助のおとぼけであったり、杉葉子の元気さ、愛嬌で和ませてくれます

ちなみにオープニングのクレジットによると警察が監修指導協力?してるらしく、ってことは警察にマイナスイメージなシーンはないんだろうなぁとか思ってたんですが、むしろ批判的な視点が多いのが意外

警察なんてやってらんねぇとやる気のない伊藤雄之助がいたり(劇中誤って同僚を銃撃してしまい免官w)
ドライすぎる同僚がいたり、ドライなうえ理不尽な上司にそれならやめちまえとか言われたり
おまけに杉葉子にまであんたそれでも戦争行ってたの?とか言われちゃう池部良

田舎だったら人情派のいいお巡りさんでいられるんだろうけど、犯罪が多発する都会のお巡りさんでこの性格だとつらいですねー
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