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フィールズ・グッド・マンのnatsumiのレビュー・感想・評価

フィールズ・グッド・マン(2020年製作の映画)
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インディーコミックBoy’s Clubのカエルの主人公「ぺぺ」がマイスペースでバズり、掲示板4chanでミーム化されユーザーから“自分達の”キャラとしてたくさん使われて可愛がられた挙句、一般人にも普及してしまった“自分達の”ぺぺを守るために白人至上主義と関連づけられさらに拡散されトランプ当選にも一役買い、ヘイトシンボルと認定されてしまった社会現象についてのドキュメンタリー。

ぺぺはなんかよく見るミームとしてしか知らず、誰が描いたとかは知ろうともせず元はコミックのキャラだとは知らなかった。途中まではちょっと原作の雰囲気が似てるのもあり、100日後に死ぬワニが(作者許可ありでも)資本主義に乗っ取られる感じを思い出したけどスケールが桁違いだった。ほんと作者が精神的に参ってて可哀想すぎる。畑違いではあるけど自分も絵を描くので自分の絵があんなになったらと思うと恐怖でしかない。4chanのインセルなユーザーたちが現実逃避をしたいがためにぺぺを使ってテロリズムなどのジョークを平気でするのと同様に、トランプが現実を否定し自分に都合が良い“事実”を広めるのを全てを悪ノリの冗談にできちゃうぺぺというミームがちょうど良かったというのに納得。馬鹿にされがちなミームカルチャーとまじめに向き合い、ペペのアニメーションも取り入れわかりやすく闇を解いていく姿勢が良かった。ランボルギーニ乗り回してるクリプト野郎のところは見てて頭が痛かった。ドキュメンタリーって人が面白いと倍面白くなるけど(フリーソロ!)この可哀想な作者自体はそこまで面白い人じゃないのがちょっと残念。
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