KOUSAKA

ZAPPAのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

ZAPPA(2020年製作の映画)
3.8
フランク・ザッパは、その自由で挑戦的な音を耳にする度に「カッコイイ!!」と思っていたものの、彼の膨大なディスコグラフィーに圧倒されて、どこから入っていいのか分からず、ずっと深掘り出来ないままでした。

どこか「変わり者」とか「常識外れ」な自由人みたいな印象を勝手に持っていましたが、このドキュメンタリーを見終わったら、フランク・ザッパこそが「まとも」であり、彼こそが「常識的で知性的」であると断言せざるを得ませんでした🤔

80年代にPMRCによって推し進められようとしていたParental Advisoryという「検閲制度」に対しても、アーティスト側からただ1人声を上げて抵抗する彼の姿には、心から感銘を受けましたし、余計なイザコザを起こしたくなくてダンマリを決め込む大物アーティストたちに対して、批判したり揶揄してもおかしくないところを「彼らにも黙る権利がある」と冷静に語る姿には、民主主義の本質を理解している「知性」に基づくスマートさを感じました。

「音楽業界のほとんどが、<音楽>ではない」「仕事じゃないんだ、ただ音楽をやればいい」「芸術的な判断は、損益に左右されない」などなど、よくぞ言ってくれたと喝采を上げたくなる言葉の連続で、最初から最後まで、インテリジェンスな刺激に溢れた128分でした。

結局、どこから彼の音を掘っていけば良いかはいまだに分からないままですが😆パンフレットをサブテキストにしながら、まずは1966年リリースの1stアルバム『Freak Out!!』からしっかり聴いてみたいと思います‼️

あ、あと『ビルとテッドの大冒険』シリーズのキアヌ・リーヴスとの共演で有名なアレックス・ウィンターが、今作の監督と知って驚きました😵素晴らしい仕事ですね、これは。
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