ぴよまろ

浅草キッドのぴよまろのレビュー・感想・評価

浅草キッド(2021年製作の映画)
3.6
ビートたけしの自伝的小説の実写映画化。劇団ひとり監督脚本作品。1960年台の浅草を舞台に、駆け出しだったビートたけしが、師匠、深見千三郎と過ごした、青春時代を描いた物語。

主演の柳楽優弥さんと大泉洋さんはじめ、役者陣の名演が素晴らしい作品でした。当時のビートたけしさんがこうだったんだろうな、と、十分に納得できる作品でした。仕草もそうですが、声も似ているというのがすごい。また、師匠から大きな影響を受けたことが分かる仕掛けが随所に見られて、劇団ひとり監督のビートたけし愛が感じられて、とてもよかったです。あくまでモノマネではなく演技、そして現実にそうだったんだろうと想像させてくれるバランスが素敵でした。

原作・実際が持つ力もあると思いますが、物語もとてもドラマチックで、師匠と弟子の師弟愛が最高で、最後まで一芸人として生きた深見千三郎と、それに応えたビートたけしの関係性が、江戸っ子らしい粋さで、しっかり伝わるシーンの数々が最高でした。

芸人の活躍場所が劇場からテレビへと移る時代の青春ものとして、シンプルに楽しめる作品でした。
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