見てもらってるじゃない、見せてやってるんだ。
師匠である深見に、多種多様な仲間たちと過ごした浅草フランス座での日々を通して、ビートたけしの若き頃を描く伝記映画。
柳楽優弥の演技が素晴らしかった。ビートたけしに顔やイメージが似ていないにもかかわらず、ビートたけしにしか見えない様に驚かされた。些細な口調や仕草がそのままで、変な要素で引っ掛かりを覚えることがなかった。
言葉では伝えなくても、行動で示す深見の人徳深さに感銘を受けた。自らの仕事に誇りを持ち、決して信念を曲げなかった漢の生き様を、しっかりと受け継いだのがビートたけしなんだと感じられた。
私は大御所になってからのビートたけししか知らないから世代ではないけれど、時代背景や人情味溢れる人々の様子を描いた本作は、全世代に刺さる作品だと思う。