噂には聞いていたが、素晴らしい作品だった。
主演の柳楽優弥を含め、出演者全員の演技に見事に酔いしれてしまった。
つい最近まで学習塾の敏腕教室長だった柳楽くんが、たけしにしか見えなくなるくらい、仕草から言葉遣いまで完璧で、今や本当に立派なカメレオン俳優だ。
ヒロインの門脇麦も負けてない。本作での妖艶なダンスと美声には、惚れてしまいそうだ。
人間誰しも、人生で影響を受けてる人物はいると思う。
「いつか、自分もこの人みたいになれたら…」って、思ってるうちに、気がつくと、その人と同じ所作や仕事のやり方を真似してしまう…。
北野武を大御所としてではなく、等身大の人物として描いているところに共感できる。
浅草を舞台に描かれる笑いの時代の移り変わりに、翻弄される人々の栄枯盛衰にも涙。
2021.154