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オーストラリアのchitchipapaのレビュー・感想・評価

オーストラリア(2008年製作の映画)
4.0
太平洋戦争開戦当時のオーストラリアを舞台に、“同化”という名目の白人による先住民アボリジニー迫害の歴史を直視した社会派アドベンチャー映画です。
まず何よりも、赤い大陸オーストラリアの最北部ノーザンテリトリーの荒涼ながらも美しい大自然の映像。このエリアは今でもアボリジニーの聖地です。
次に時代背景。第二次世界大戦中唯一オーストラリア本土に戦禍が及んだ日本軍によるダーウィン爆撃は我々日本人には馴染みが薄いですが、今でも年配のオージーは覚えています。しかし映像で描かれていた『伝道の島』への日本軍上陸は完全にフィクションで、燃料油備蓄基地空爆と一部ダーウィン市内も爆撃の被害にあったのが史実です。
ストーリーも、アメリカ西部劇を彷彿とさせながら肌の色を越えた愛を訴えていて説得力があります。
この作品にニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマンという二大スターが出演した経緯を調べていて、恥ずかしながらこの二人が共にオーストラリア人であることを初めて知りました。
最後に、演技力というよりもその立ち姿そのものに神憑った存在感があったのが、アボリジニーの老呪術士キング・ジョージでしたね。
私にとって色々勉強になった作品です。
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