ねぎおSTOPWAR

偽りの隣人 ある諜報員の告白のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.0
またまた来ました!<韓国の史実に基づく>ストーリー!!
既に2020年に公開されていた作品が年をまたいで日本上陸です。

これはかの元大統領の話ですよね。
まったくそのものじゃないけど、軍事政権末期に民衆の代表として戦った人。
時代的には「1987ある闘いの真実」と同時期。
「1987・・」はシリアスですが、こちら「偽りの隣人」はコミカルな部分も多く、当時の政府をコケにしたような内容!

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《オ・ダルスの復帰作!》
どんな作品でもオ・ダルスが作る<異なるリズム>が大好きなんです。
もちろんわたしが言うまでもなく、多くの人がそうだと思います。
だからこそ「神と共に」の後に起きた性的暴行疑惑はショックでした。
事の真偽に言及する情報を持ち合わせていないのですが、事実として韓国内では不起訴になったようですね。それが証拠不十分なのかどうか知りませんが・・。
日本における山〇敬之の昏睡レイプのようで嫌な気持ちです。こちらは直前で逮捕が延期され、でも民事裁判でレイプの事実認定がされました。

とにもかくにもオ・ダルスさんがスクリーンに戻ってきました。
彼としては、このスキャンダルによって撮影が終了していたり、撮影前だったり、迷惑をかけた作品・・という認識で、これからの作品が実質の復帰である・・ということを述べています。
今作は「7番房の奇跡」も監督したイ・ファンギョン作品。一転シリアスな事実ベースもの。

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主演はチョン・ウさんです。
2004年に本名から<チョンウ>に変えてから、「レッドファミリー」「セシボン」「ヒマラヤ」「善悪の刃」「王の預言書」とグングン売れてきている方。
Filmaには登録ないけど、「ユゴ大統領有故」「人類滅亡計画書」ほかにも出演しています。

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少しでもネタバレを防ぎたい方は以下ご遠慮ください。






上記した元大統領とはおそらく金大中キム・デジュンさんのことです。
政策には賛否あるかもしれませんが、太陽政策と名付けた親北朝鮮政策によって金正日と初めて会って、握手して、会談した首脳ですよ。ノーベル平和賞ですよ!
彼の大統領就任は韓国においてひとつの大きな転換点であったと思います。作られる映画も影響を受けたと考えています。
実際の歴史では民主化直後の選挙において彼は敗れています。盧泰愚、金泳三の次に大統領になりました。映画ではなんとなくぼやかしていましたが、まあまああのソ連との首脳会談って報道が、実際の北朝鮮訪問を示唆しているのかなって。
まあね、さらには選挙前の暗殺失敗がひとつの契機と演出されていますが、みなさんはよくご存じ、それこそ「1987ある闘いの真実」にあった通り、市民のデモがあったわけでね。そこは映画では割愛。荒唐無稽な業務をこなしたデグォン(チョンウ)とイ・ウィシク(オ・ダルス)との友情にフォーカスしたのでしょう。デグォンが極めて強い愛国心を持っていて、だからこそ言われるがまま”アカ”を追及していたが、次第に「なんかおかしいぞ・・?」と思うに至るところが、長く軍事政権下で抑圧を受けた韓国国民の共感を呼んだのだろうなって思いました。


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