アネモネ

偽りの隣人 ある諜報員の告白のアネモネのレビュー・感想・評価

4.0
最初に強調される「この映画はフィクションです」と言う意味が、どんどん気持ちを複雑にさせる映画でした。
しかも思いっきりコメディで始まって、サスペンスになりラストはしっかり泣かされる。
ベタすぎるコメディとよくある展開なのに、こんなに心に響くなんて
やっぱり韓国映画は凄いなーって思います。
そしてやっぱり日本はこうして歴史と向き合った作品は作れないなと。

フィクションにみせかけてちゃんとあの時代の韓国を描いている事は、少なからずとも韓国映画を色々観てきた私にもわかります。
いつも思うけど、民主化を求めて声をあげる学生の姿には胸を打たれます。
そしてその声を拷問までして弾圧し、権力と隠蔽によって国民を制圧しようとする権力者に怒りを覚えるし、日本人はここまで国と社会と向き合っているだろうかと毎回考えさせられてしまいます。

フィクションでも、ウィシクのような政治家が現れてくれたなら…と心から望んでしまうし、私もデグォンのようになれたらいいなと思うのです。

そしてふと気付いたんですが、この内容
今の日本じゃね?
ちょうど選挙のタイミングで観れたのはとても良かったです。
だからかな、色んな感情が込み上げてきて
よけい泣けて仕方なかったです。
みんなで選挙に行こう!
選挙に興味ない人ほど映画観たほがいいよ!!
一個人でも、行動して声をあげる事は時に未来へ繋がるかもしれないって知れるから。


チョン・ウの出演映画は数本しか観てないけれど、やっぱり今回も良い作品で良い演技でした!
これからも出演映画観ます!!




コメディ要素が逆にストーリーを引き締めるという技は凄かった。
金大中事件をここまで脚色したのも脱帽。
そして久しぶりに希望を持てる終わりかたの映画を観た。
たまにはこんなラストもいい。
フィクションだし!
アネモネ

アネモネ