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偽りの隣人 ある諜報員の告白のnonchanのレビュー・感想・評価

3.6
1985年、軍事政権下の韓国で民主化を求め自宅軟禁された政治家と彼を監視する諜報員の
正義を描いた社会派ヒューマンサスペンス。
元韓国大統領の金大中(キムデジュン)が1985年に軟禁された史実に着想を得て作られた映画だけど、劇中の名前が違うように、これはあくまでもフィクション。
民主化を求め自宅軟禁されたイ・ウィシク(オ・ダルス)と監視するKCIAの諜報員ユ・デグォン(チョン・ウ)たちとの関わりは、緊張だけでなく笑える場面も多々あって。😅
オ・ダルスssiにしては真面目な表情ばかりで物足りない感じがしていたので、少し力が抜けた。
しかしモデルとなった金大中の身に降りかかった出来事をある程度トレースしているので、軍事政権下の韓国で民主化活動家が如何に迫害されていたかが分かる。

鑑賞後に金大中をググると、映画の舞台となった1985年以前も、民主化運動家としてかなり過酷な人生で、度重なるKCIA(朴正煕時代の諜報機関)からの暗殺工作や軟禁をされていた。
1980年の光州事件も、朴正煕大統領暗殺後、全斗煥が粛清クーデターを起こし、野党指導者の金大中や金泳三らを逮捕軟禁したことに抗議した学生や市民の暴動。
映画は1985年に亡命先のアメリカから帰国し軟禁状態に置かれてからの物語だけど、実際の金大中氏はその後大統領選に挑戦しては敗北を繰り返し、大韓民国第15代大統領に就任したのは1998年。😓
この辺りの経緯はファン・ジョンミンssi、イ・ソンミンssi、チュ・ジフンssi出演映画「工作 黒金星と呼ばれた男」を観たので何となくわかる😅
他にも彼の波瀾万丈の人生は様々な映画で描かれているし。
大統領就任後、散々苦しめられた国家安全企画部(全斗煥時代の諜報機関)を廃止し、国家情報院になるのよね。
過去に観た映画で韓国の現代史がわかるな😅
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