偽りの隣人 ある諜報員の告白の作品情報・感想・評価 - 7ページ目

「偽りの隣人 ある諜報員の告白」に投稿された感想・評価

韓国映画には実際の史実を元にした政治ドラマがいくつか存在します。
いずれもヘビーな語り口で、見ごたえのある作品となっておりますが。

今作のストーリーの軸は、現政権に一石を投じる野党政治家が立候補を目指すというところになりますが。前述のような重いお話ではなく、基本コメディタッチで描かれています。

(ベースとなる事象はあったそうですが)そもそもがフィクションの作品。舞台は1985年と謳われていますが、実話ではないということで。
ただし、こうしたことがあっても不思議ではないという時代背景ではあるのかな。国家による弾圧の厳しさは伺い知れます。

その一方で、2020年代に生きているわたくし的には、韓国で大統領は みな悲しい末路をたどっているという印象も濃いんだけどね。

序盤の 汲み取り便所での場面から食事シーンへ移行して、「この手は洗わないぞ」という流れとか。
家に忍び込んで、帰宅したお手伝いさんと右往左往するコントさながらのシーンも面白かったけど。

一方で権力闘争たる描写であったり、娘が巻き込まれる展開は かなりシビアに受け止めました。

クライマックスもそれと同様なシチュエーションになっていくのですが、主人公がとった まさかの解決方法には参りましたけど(苦笑)
それも許容する雰囲気を持ち合わせた映画でもありましたね。

そんな政治ドラマとコメディパートを混在させつつ、二人の男が交わした約束のために向かい合うという場面は、またそれまでとは違った熱度を感じて。
韓国映画らしいユルさとハードさを楽しめて、笑って泣ける映画。見て良かったです。

きっと「夢想花」も放送禁止だな。
ワンコ

ワンコの感想・評価

3.4
【ダメなものはダメ】

ストーリーは、金大中拉致監禁事件をモチーフにしたものだ。

金大中は日本で拉致された。

韓国の軍事独裁政権は、金大中のみならず、対立分子を海外で殺害するなど、今では到底考えられない暴挙を働いてきたと推察されている。

そして、それは、あらゆる民主化運動の弾圧にも繋がり、様々な映画にもなっている。

この物語はフィクションなのだけれど、こうした歴史を乗り越えた韓国の人たちにとっては、胸を締め付けられるような感覚になるのだろう。

(以下ネタバレ)

途中、お隣さん同士の屋上で、タバコをもらって吸う場面がある。

初めてで咳込んでしまう。

これと同じで、なんとか理解に努めようとしても、ダメなものはダメなのだ。

これがきっと政治信条としての答えなのだ。

だから、身を賭して闘わなくてはならないのだ。

ところで、この作品、最近は、なりを潜めていたように思っていた、韓国映画にありがちな、状況を掻き乱すキャラが登場して、なんか嬉しくなった。

たまには、社会派サスペンスなんだけど、所々コメディみたいなのは悪くないと思う。
Teijiji

Teijijiの感想・評価

3.8
やりすぎ注意って感じですかね。
韓国映画に時々みられる、演技、演出ともにちょっとくどい感が過剰ではないかと…

悪い奴はとことん悪く、あんな奴が警察組織の中枢にいるかな?
いくら1970年代前半の話とはいえパワハラもすぎるんじゃないかな。

お人好しはだいぶ抜けてるし、いつらなんでも諜報部員なんだから

コメディなんだかシリアスなんだかよくわからなと思っていたら、最終的にはヒューマンドラマに落ち着いた。

と、映画を見終わってから元となった事件の詳細をネットで調べてみたら、映画の内容はほぼ史実通りだっととは。
 
(ネットでの概要)

大統領選で僅差で敗れた民主活動家の乗った車が大型トラックに突っ込まれ3人が死亡、活動家も重症を負う。(KCIAによる暗殺行為)
その後、各国を転々としながら政治活動を続けていたが日本のホテルでKCIAに拉致され、韓国の自宅で軟禁される。

恐ろしい…

しかも当時の日本の総理大臣の田中角栄もアメリカも承知のうえでのことだったなんて…

すごく深い闇を感じる。

たった50年足らず前の話です。

そして今現在、もうすぐ韓国の大統領選が行われる。日本のニュースでも既に候補者同士の足の引っ張り合い、誹謗中傷が報じられている。

日本では自民党の総裁選だ。

巧妙に隠されていても闇は続いているのでは…
直人

直人の感想・評価

4.5
●偽りの隣人 ある諜報員の告白(2020年韓国。チョン・ウ)

コメディであり,シリアスであり,家族ものであり,友情ものであり,いろいろなテーマを扱っていて「盛りすぎじゃない?」とも思うが,バランスが絶妙。
すべて観終わってからシーンを反芻すると「これってジャンルはなに映画?」になるがw

オ・ダルス,やっぱりすごい。
(おそらく初めての大役の)チョン・ウも熱かった。
ラストは泣く。

https://www.youtube.com/watch?v=ZgiuH6yJdfI

ナミの『クルクル』のリンクはこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=93r3-zJjlgM
nao

naoの感想・評価

3.9
韓国映画はやっぱすごいなー。
笑って泣いた。
フィクションの断りはあっても、確実に『あのこと』だと判る。
『タクシー運転手』『ブラックビーナス』『1987』『南山の部長たち』と映画で韓国の歴史を知ったわたし。
現実はいろいろあるけど、エンタメとして表現することに自由を感じる。
やりきる感。
オ・ダルスの演技が素晴らしかった。彼と同じように泣いた。 
ほんとうの自由とは、命懸けなのだと。
韓国映画ならではのコミカルなシーンもあり、ドリフコントのようなベタなシーンだけど、ほんとに面白かった。最後には伏線が回収されていたり。
バレそうでバレない、気付けばどっちの目線でいるのか、知らぬ間にこちらの感情がすりかわっていることにびっくりした。
あの時代、日本はどうだったかな。。❓
すぐ隣の国ではこんなことがあったと知れる。
フィクションと断りをいれても、現実を映し出す。それが映画の醍醐味✨
軍事政権下にあった1985年の韓国を舞台にした社会派サスペンス。
自宅に軟禁される野党政治家イ・ウィシクを盗聴する諜報機関の男が、政治に対する彼の崇高な信念などを知るうちに政府に不信を抱く。
 
またしても出ました✨。韓国映画テッパンの政治腐敗もの。しかもこれはかなりの良作😆。
これがフィクションで良かった。実話だったら、これはもう政治ではなく、弾圧による国民の束縛😨。

前半はコメディ色強く、笑える場面もあって少しリラックスモード。
しかし油断してはいけない。後半は一転して超シリアスモードに。 
やっぱりこのパターンか😅。
出世が約束された見せかけの愛国心と、命の危険もある道徳心を貫くこととの狭間で揺れ動く主人公。

主演のチョン・ウ。
この人『善悪の刃』でもいい演技してましたね✨
そしてなんといっても名バイプレーヤーのオ・ダルス先輩😄。久しぶりにスクリーンに帰ってきた🙌。
お調子者の雰囲気を封印して、家族思いで、志ある誠実な政治家役😊。
いやあ、泣かせてくれるじゃないの、ダルス先輩😁。

久々にスクリーンで韓国のダークな政治ドラマに浸れました✨。はい、満足しました😊
ま

まの感想・評価

3.8
民主化運動という重いテーマを笑いと涙で包みこんだ人情味あふれるお話だった(ちなみに冒頭で「フィクション」とテロップでます)。途中コントのようなシーンもあって、こんなにコメディ色強いとは思ってなかったよ!そしてホロリ。チョンウはコメディとシリアスのあいだをバランスよくいったりきたりできる俳優でとても好き。
たくみ

たくみの感想・評価

4.5
舞台は1985年の韓国。大統領選をめぐる国家の陰謀に巻き込まれたある野党候補、自宅軟禁中の彼を盗聴監視し、国家の敵に仕立て上げるために偽の隣人となった一人の男との交流を描く作品。

前半ではコメディ要素てんこもりで、まるで吉本新喜劇クラス。これで大丈夫なのか?と思いましたが、後半は一気にシリアス路線プラス人情路線にスイッチ。かなり演出過多ではありますが、これくらいやっちゃった方が一般人には解りやすく、ラストはまんまと目頭が熱くなりました。笑わせて泣かせる手法はまんま吉本新喜劇。なんだかんだでこのノリにやられちゃう体質は治ってなかったみたいです。

主人公が敵であるはずの野党政治家の家族を盗聴し続けるうちに、次第に彼に心酔して行く様子はそこだけ観るとクサさ爆発なんですが、主人公の魅力と、それまでの過程で情移入させられているので素直に応援したくなっちゃいます。悪役である主人公の上司も解りやすく悪いヤツで、素直に憎たらしくこの構図のわかり易さが作品のキモです。

監督は「7番房の奇跡」のイ・ファンギョン。主人公はレッド・ファミリーでも偽の隣人家族で北朝鮮のスパイ家族を演じたチョン・ウ。本作と設定もキャラもだだかぶりでちょっと笑っちゃいますw
めちゃシリアスな内容のお話しなのに笑いありサスペンスあり感動もあり、お見事な脚本でとてもおもしろかったです。
軍事政権は百害あって一利なしです👎
いつもの悪役さんのその後が気になるw

オ・ダルスさんの熱演も素敵でした。
現実ではme tooで告発されてたらしいですが、そういう事出来そうな方に見えないですよね。
ozp

ozpの感想・評価

3.5
韓国お得意の立場の違う2人の友情物語。歴史が変わるかもしれない大統領選というタイミングゆえに民主化とは?愛国心とは?という問いが重い。けど結構コメディに寄せているおかげか作品自体は重くないので気軽に観れる社会派映画。最初は塀越しの会話だったのが最後は壁のない屋上というのもよかったし、気持ちが通じ合えたであろう場所が裸の付き合いである銭湯というのもよかった。色んな人の犠牲あっての民主化だったんだろうけど金大中あたりについてまた勉強しようと思います。イ・ユビちゃんまさかの年上だったけど好きです。

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