回想シーンでご飯3杯いける

警察と泥棒の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

警察と泥棒(2020年製作の映画)
4.2
僕は常々言っているけど、アニメーションの評価は映像の綺麗さやリアルさだけではなく、それを使ってどのような表現とメッセージを紡ぎだすかで決まるのだと思う。

本作は、2020年2月、アメリカ・ジョージア州でジョギングをしていたアフリカ系アメリカ人男性のアフマド・アーベリーさんが、元警官をはじめとする3人の白人に射殺された事件をきっかけに作られた作品である。

実写とアニメーション、音楽とモノローグが激しくぶつかり合いながら、アメリカに住むアフリカ系の人達が日常的に感じている憤りと恐怖を表現していく。

わずか6分の作品ながら、そのメッセージは鋭い。タイトルの「警察と泥棒」は、対照的な存在でありながら立場が逆転する事もあり得る組み合わせとして、世界的にも様々な場面で使用される表現。日本でもお馴染みの遊び「ケイドロ」も登場する。

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2020年のレビューは今作で終了。コロナ感染拡大の影響で、ただでさえ劇場公開作品が少なかった1年。更に循環器系の疾患を持つ僕にとって劇場に入るリスクは高く、大半が自宅鑑賞となりました。

そんな状況の中で有難かったのがNetflixの存在。年内に観た約300本の映画の内、Netflixオリジナル作品だけでも60本を鑑賞しました。他にドラマ系も観ているので、お世話になった感覚は更に強いです。劇場公開予定だった作品をオリジナル作品として早々に配信するケースも多く、ある意味、劇場作品より「新しい」感覚を覚える作品に多数出会えた1年だったと思います。

実はこの「警察と泥棒」の後に、年内最後を飾るにふさわしいブラックコメディ「さらば! 2020年」を観ているのですが、Filmarksにまだ作品登録されていないので、年明けにレビューします。こちらも最高だったので、Netflixに入っている方には強くお勧めします。