フクイヒロシ

海に向かうローラのフクイヒロシのレビュー・感想・評価

海に向かうローラ(2019年製作の映画)
3.5
映像がいいとか、
映画としての語り口もよくできてるとか、

主演のミヤ・ボラルス自身のトランス女性でベルギーのアカデミー賞で有望女優賞を受賞しているレベルに演技も存在感もビジュアルも素晴らしいし、

父親(ブノワ・マジメル)のキャラクターも冒頭では一側面しか見えない古い価値観の男だったのが、じわじわ彼の多面的な部分も見えてくるとこのいいし、

LGBTQへの無理解という問題と同時に
「思春期の子供と親」という問題がそもそも大きいしそれって永久に解決されないよね
さらにそこにセクシュアルマイノリティの問題が絡んで難しくなっちゃってるね
フランスでさえもまだこのレベルなんだね、
ってとこもいいし、

いくらでも広げられる話を「父と子」のみにギュギュッと集約したこともいい。



***


しかし、
こんがらがった問題が解決されていくのが、ずっと
「実は知らないとこでこういうことが行われていた」
「実はこうでした」
「実はこう思ってた」
という事実が羅列されていって
「あ、そうだったんだ…」とお互いに軟化していく、という流れ。


これがいい。だからいい。という人もいるかも。。


***


ラストについてはコメント欄に。