ホームレスでありながら、車に住み、お金はあるため食にはホテルのレストランを使うが、公園での生活もするというどっちつかずの男。
記憶がない男に、記憶を取り戻す手段としてトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を進める研修医。
術後、男は左目だけで人を見ると化け物のような姿になりかわった姿の人々を見る。
研修医は人の心の歪みを映す、ホムンクルスを見ているのだと言う…。
1週間後に穴を塞ぐというが…ホムンクルスとは一体なんなのか、研修医の目的とは何か…。
映像のクオリティと清水監督らしさを感じる独特な映像感覚がよく、日本映画もCGの出来が変わってきたなあと思えます。
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ここからネタバレ
組長に絡まれるシーンから色々と薄くなっていきます。
うーん、組長レベルが一般人相手にぶつかったとかのレベルで路地裏で指詰めるか?…とか思いながらですが、過去のトラウマを指摘されると崩れるとか飛んだモラリストで、どんな極道の道を歩んだのかなと…。
砂の女子高生は世間体だけでできているせいで自分が何者かわからないということを表しているまでは分かりますが、解決手段の意味不明さと性描写が不快でした。
これがなければこの映画もっと評価したかった…。
結局は人は自分を自身で見ることはできないので、他人を鏡として見ますが、自分を知って欲しいと思う人を自分の鏡として使っているだけなのではないか。
自己承認のための手段としてしまっていて、相手を本当に見ていないのではないか。
自分中心的な承認欲求で人を傷つけてしまわず、人と接して人との世界を構築することで自身の存在を確かめる。
そういう人とのあり方を説く映画と捉えました。
オカルトではなくエンパシーの延長線の話といった様相なのは面白いですね。