千年女優

ホムンクルスの千年女優のレビュー・感想・評価

ホムンクルス(2021年製作の映画)
2.5
富裕層訪れる一流ホテルとホームレスで賑わう公園の狭間で車上生活を送る青年、名越進。どっちつかずの生活を送る中で報酬目当てに医学生の伊藤から第六感が芽生えるトレパネーション手術を施術された彼が、それをきっかかに他人のトラウマや深層心理が具象化した「ホムンクルス」を見る超能力を得ていく様を描いたSFサスペンスです。

『呪怨』始め数々のホラーを手掛ける清水崇監督が00年代中盤に週刊誌スピリッツに掲載されて人気を集めた山本英夫の漫画を映画化した作品ですが、主演の綾野剛にややミスマッチを感じます。松田翔太とSHINOBUのちょうど間の絶妙な顔もあって表情は豊富でも、お喋りの方はチンピラ風一辺倒なので彼はあまり喋らせない方が良いですね…

原作は連載当時に中二病な世界観に惹かれて読んでいて、本作に登場する組長と女子高生の回は雰囲気はよく覚えているのですが、結末は全く覚えておらずで、本作見てもピンと来なかったのは単純に物語として尻窄みだったからでしょうか(;^ω^)。深層心理を可視化する素晴らしい映画的題材を、物語へも映像へも活かせずじまいの一作です。
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