柏エシディシ

くれなずめの柏エシディシのレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
3.0
正直、あまり好きでは無かった松居大悟作品。
本作は個人的な経験と重なるプロットと文字通り"旬な俳優"陣の演技に引きこまれて、つい落涙してしまった。
やられた。

くれなずむ。ではなく、くれなずめ。
忘れてやる。思い出にするくらいなら。
青春に(なんて、手垢のついた言葉では呼びたくないけれど、他に適当な言葉がない)、なんとか蹴りをつけようとする。
可笑しくも哀しい、かつての男の子たちの物語。
でも、蹴りをつけたつもりでも、アイツは不死鳥の様に甦ってくるんだよなw
現実と非現実と、過去と現在の境目が溶け込む様な映画ならではの語り。
ただそこには、かつてあったあの夜が、あの日が。確実に、在る。

映画の中に自分を見出した人には、特別な作品になる一本。
引っかからない人たちには手厳しい評価にも、然もありなん。と思う。

「ちょっと!男子ーいい加減にしなよっ!」と叱りつけてくる誰もが覚えのある"あの子"みたいな前田敦子がスパイス。
彼女の様な存在が、僕らをまた慣れ親しんだ日常に還していくのだ。
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