こしあん

くれなずめのこしあんのレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
3.8
「くれなずめ」って言葉、いいなぁ。タイトルが出るタイミングも好き。

モヤモヤしたままでいい、白黒ハッキリさせなくたっていい、きっちり区切りをつけなくたっていい、ヘラヘラ生きたっていい。
そんな懐の深さに救われる。

でもなんか全体的には、チューニングが難しいラジオみたいな映画だったな😅
ピタッとハマった瞬間は刺さりまくるのに、それ以外のシーンのノイズが気になって💦

前半の内輪ウケのノリがちょっと居心地悪い。あのタイプのわちゃわちゃ感は、あまり好みじゃないんだよなぁ。
あと、おでん屋台のコントみたいなやり取りもなぁ……うーん……。嫌いじゃないけど、この場面ではないよなって感じ。

中盤、前田敦子の叫びが素晴らしかった。ああいうキャラ、すごく似合うし上手い。
「生きてても死んでても一緒なんだよ!」という一見キツくみえて、実はあたたかくて救いのある言葉にウルッときたし、そこからの回想シーンでグッと引き込まれたのに、終盤の急にファンタジックな展開には、おいてけぼり😅
唐突にあんな演出されたら、ぽかーん😯ですよ。
直前のシーン、めちゃくちゃ泣いたのに😭
若葉竜也、むちゃくちゃ良かったのに😭

急になんなん⁉️
「ラッスンゴレライ」のネタを初めて見た時に感じたような新しさと波長の合わなさ。

でもこの表現方法が松居大悟監督にとっての「それが答〜えだぁ!」なんでしょう。
途中の方程式は違えど、導き出された答えは、夕陽のように沁みましたよ。

登場人物それぞれの回想シーンへの入り方や、同じグループ内でも個々では異なる関係性や温度感とかも上手く描かれてるなと思いました。
藤原季節のお菓子のシーン、すっごい良かったなぁ。

とまどいながら、★1と★5を行ったり来たり。ある意味、印象深い作品になりました。

好きも嫌いも両方入ってる作品。
もしかして、そこまで意図して描かれてるの⁉️って、たぶんそれは深読み😅

もう一度見てみると、あえて無理してあのノリなんだなぁということがよく分かって、またちょっとウルッとする。

どうでもいいことでバカみたいにはしゃいでいた、高校時代の友人に会いたくなる映画。
そして帰り道はきっと、くれなずむ。
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