塚原直彦

くれなずめの塚原直彦のレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
3.8
松居大悟監督が主宰する劇団ゴジゲンが、2017年に上演した同名舞台を映画化した本作。
劇団員の目次さんのみ、オリジナルキャストで同役をそのまま続投。

この監督らしい男同士の内輪的ワチャワチャ感をベースに、やや攻めた演劇的演出とアプローチを残して物語は展開。
上記をどう捉えるかで観る人によって評価は大きく変わってきそうだが、個人的には本作の設定が実体験とリンクしドストライク。
年齢的には彼らがどうしても同級生に見えなくもあるが、それよりもこの人気キャストが奏でる演技合戦に価値アリ。

本作品の見せ場となるウルフルズの「それが答えだ!」のアンサーソングとして、この為に生まれたエンディングの「ゾウはネズミ色」は胸熱。
人生は明快な答えを出すことだけが正解では決してなく、曖昧な苦しみを背負い続ける事だって暮れなずむ夕焼けのように儚くも美しいのだと肯定してくれる。
塚原直彦

塚原直彦