坂口

時の面影の坂口のレビュー・感想・評価

時の面影(2021年製作の映画)
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地面を掘る映画なんだけど
陸・海・空と宙の4つが色々象徴してたみたいに思った

空では、ドイツとの開戦に向けて空軍の演習が繰り広げられ、若者は戦地に送られるし
陸(地上)では、発掘チームの俗物根性組が利権を争ったり、母が子を残してこの世を去らざるを得ないことに苦んだりと、人間の営みがある。
サットンフーの船葬墓からは、大海へ漕ぎ出した大昔の人々のロマンの痕跡。
(これだけで役満なんだけど
この映画はここで終わらなかったのがいい!)

でもそんな地上のちっちゃな些事なんかより母をこれから失う少年は
もっと高いところ“宇宙”を見上げて語る!このシーン!ここ好き!
この少年と宇宙は、“未来”の象徴なんだろうね!

失われた過去を現在の人が掘り下げ光を当てる、考古学の作業。(これ自体だけでロマンの塊)
大人たちが現在と過去を繋ぐ作業に躍起になってる間に、この少年は宙っていう未来を見てた!(台詞にもあったけど)発掘は未来に繋げる作業なんだ!っていう!

あと、死ぬっていうのは、物質的には“消える”こと。
でも、こうやって昔々に死んだ人の物が遺跡として“遺ってる”。
車のシーンは、キャリーお母さんも、だからそうなっていくって事だよねー😭😭


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もし文句を無理やり付けるなら、
リリージェームズのラブストーリーが取って付けた感じで浅かった。あれなら無い方が良い。
クソ旦那とセクハラ親父の描写は、ミートゥーブームに乗っかってみましたぁ感が舐めててムカつく
あと、期待してたアングロサクソンとかの歴史大河ロマン、考古学の楽しさ奥深さみたいなのは無かったな…そこまでするとテーマがブレるかあ
坂口

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