パケ猫パケたん

キャラクターのパケ猫パケたんのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

予告編で気になった、プロットも面白しろそうだったので観賞。

さて、映画館にて。『蜜蜂と遠雷』の映像派、石川慶監督の新作『Arc アーク』の予告編をチラッとやっていたので、まぁご機嫌になったよ、オイラ(^.^) それにしても予告編・広告(もち吉、駅前不動産・ロッカ)が合計20分あるので、毎回長いよ、ユナイテッドシネマ・キャナルさん。

この映画『キャラクター』について、簡単に批評。サイコ・サスペンスとして充分、合格点を差し上げたい。面白い。

漫画原作の映画は、日本映画に星くずの数ほどあるけれども、漫画製作を描いた映画は、映画が漫画の結界を破る、復讐をする感じがして新鮮。原案・脚本、長崎尚志の勝利。

大根仁監督作品『バクマン。』(2015)も漫画の世界を、映画にした秀作だったが、(今、調べたら原作は、漫画だったw)あの映画の、佐藤健や神木隆之介のように、菅田将暉のキャラが立っていた。そして、劇中で写される、漫画の方もヒットするかの艶やかな出来。

サイコパス役のFukaseさんも、なかなかの適役(褒めてます)で、彼の描いた室内の美術も嵌まっている。

いかにも刑事が似合う、小栗旬の投入も効果的で、ストーリーの先が読めなくなる演出は、ヒッチコックの『サイコ』(1960)を彷彿とさせるものがある。

Fukaseの殺人を、ひとつの人間の表現と捉えるのなら、菅田将暉の役柄の平凡さにFukaseの役柄の日常の苛烈さを加えて、より完全なアートとなるような怖さ。集団的無意識。人間の業。

永井聡監督の丁寧な描写も、効果的で。何気なく俯瞰のカメラになったりして、余白のある演出が怖い。ところで、松田洋治演じるところの辺見は捕まったのだろうか? ではなかったのであれば、もう、ひと波乱な描写があって、尚、怖い。

今年は、日本映画の秀作が多いような、嬉しい予感。