むーん

キャラクターのむーんのネタバレレビュー・内容・結末

キャラクター(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

殺人鬼役を演じるFukaseの存在感、そして彼自身がアートワークを手がける犯人宅の壁画は秀逸で、作品の雰囲気づくりの面において大きな役割を果たしていたと思う。
筋書きとしては王道のサイコサスペンスで、菅田将暉は追い込まれる役が相変わらず似合う。
ただ、個人的には、この手の作品特有の警察機構の無能ぶりが気がかりでならず、〝キャラクター〟という表題を冠している割には犯人のキャラクター性が見えてこないところも気になった。終幕の『僕は何者だ』というくだりにかけて、あえて透明な人物として設定したのかもしれないが、それならば彼をモデルとした主役を据える漫画作品がヒットした点との繋がりが薄く思える--というか、サイコサスペンスがミリオンセラーレベルのヒットを飛ばすなら『悪の教典』『DEATH NOTE』『告白』のように、相当の奇抜さは必要に思えるが、本作の描かれ方だと、殺人描写のリアリティのみが評価されているようで、そこも違和感があった。
指摘したい点は幾つかあったものの、ところどころの演出には緊迫感もあり、サスペンスとしてはそこまで悪い出来ではなかった。
それにしてもエンディングテーマはずとまよには聴こえなかったな。
むーん

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