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キャラクターのはのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
2.8
殺人現場に居合わせた漫画家が殺人犯をモデルにしたらバカ売れした話。

「リアリティがない」とかいう漫画編集が登場するリアリティのなさ。
世界一のサッカー漫画である「キャプテン翼」はリアリティがあったから売れたとでも思ってるんだろうか。
だとしたらこの編集が作中の誰よりも一番ぶっちぎりで狂ってんな。

わりとご都合主義でリアリティは感じないものの、ドラマの盛り上げ方は上手く飽きずに見れました。
ストーリー的にそうなって欲しい、って部分は全部押さえてる感じ。

現実の殺人を模倣して漫画にしたものを犯人がさらに模倣して現実になる、ってテーマはとても面白かったです。
これって今の時代では本当に起こってることなんですよね。
例えば漫画やイラストではよくあり、現実では絶対に無い、「ブラをしたおっぱいの腋側に出来るシワ」をコスプレイヤーはノリを使って表現していたりとか。
この話って、従来の現実こそが正解、って観念を無視する考え方ですごく感銘を受けたんですよね。
自分の好きな物、カッコいいと思った物の方が真実で、リアリティはクソ喰らえってスタンス。
本来漫画の方がお手本にしていた筈の物が、模倣であるはずの絵の方に寄せてくるっていう逆転現象。

見たいものに現実を寄せる、って考え方は現在の創作と現実の関係性をリアルに表してる感じがして面白かったです。
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