コーディー

BLUE/ブルーのコーディーのレビュー・感想・評価

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
4.0
後輩に追い越されたり、陰口叩かれる悔しさなんかより自分に納得いかないまま挑戦をやめる方が余程悔しい。
負け続けボクサー瓜田の作り笑いに滲む想い、情熱だけで越えられない壁を前にしても尚、突き動かされる挑戦者たち。そんな全部背負ってリングに立つ姿、勝敗を超えた強さが心に響く。めちゃ良い映画でした。

動機も実力も全く異なり孤独と向き合うボクサーたちが同じ闘う者として尊重し合い、言葉など無くても退けない理由で通じ合う。満身創痍の日本ランカーであろうと、好きな女の子にモテたい新人ボクサーであろうと目の前の敵を倒したいという想いで繋がる。そんな熱を体現する俳優達のリアルも素晴らしい。

見据える景色は違えど3人のボクサーそれぞれの闘いが静かに沁みてきて熱い想いが込み上げる。また理解が及ばないながらも彼らに寄り添う千佳の物語もとても切なく、どの視点にも吉田恵輔監督の人やボクシングへの愛が詰まってる!

決して表には出さないけど物腰の柔らかさに隠れた瓜田の本音、マツケンの演技もめちゃくちゃ切なくて、堪らなかったです。
カッコイイ!