熱量と才能
習慣になっているものってそれを辞めたとしてもずっと無意識に意識の中に残ってしまうんだろうな、と思った。ひとより「熱量」があるなら尚更だ。
殴り合って血を流してしまうこの類のスポーツが苦手だった。昔から。もう…やめてあげてよ…痛そうだよ…って序盤からずっと思って観ていたけど、その人の熱量の塊みたいなアッパー食らった瞬間から「いけ!やれ!そこだよ!!!」って思っている自分もいた。そうか、これが試合を観戦するということか。
悔しいことも、悲しいことも、ムカつくことも、誰よりもわかってるんだよなそんなこと。言われなくたってちゃんと心にあるんだよ。でもそれを「バネにして次頑張る」って言葉ひとつで乗り越えようとするんだから一番強い。強かったんだ。試合に勝っただけの人間が強いなんて誰が決めた?
基礎がなによりも必要。って改めて思った。
基本の姿勢は崩さない、負けて文句も言わない、いつだって礼儀正しくて怒ることもない、人一倍努力していて、人のことを一番に考えられる人間が弱いって言うんだったら時生のワンツーぶちかますよ。私が許す。
東出昌大はやっぱりぜったいスクリーンにいて欲しい存在だし、この役はどう考えても柄本時生にしか出来なかったとすら思う。似合ってるよ、「風」な男の子。
才能があるやつが強いんじゃない、好きなことを諦めずにずっと続けてこれた人間がいちばんかっこよくて一番強いよなあ!そうに決まってんだろ!!!