みどり

BLUE/ブルーのみどりのレビュー・感想・評価

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
4.0
2021/6/2

何かをはじめるのに理由なんていらない
いくらでも後付けできるから
…私はそんなふうに思っているので

瓜田が、楢崎が、そして小川が、
ボクシングをはじめた理由
いいじゃんいいじゃん
きっかけになることがあるだけで
もしかしたら人生さえ変えてしまう
そのきっかけに出会えることってなかなかない気がする

やめるのはいつでもできるけど
続けていくのはとても難しい

どれだけ負け続けてもみんなの前では
平気なふりをして
でも本当は心底悔しくて
一度離れたけれどやっぱり大好きで
また戻ってきてしまった

そんな彼が
やってる風、ボクシングを目指す楢崎相手にも
センスがあるだとか
些細なことを褒めては
一生懸命アドバイスしている姿
本当に強いのはこういう人のことを言うんだと思った

負けても負けても
誰よりも大きな声で
仲間の応援をする
自分以上に相手を思っている

簡単じゃない
出来る人の方がきっと少ない


楢崎の気持ちの変化や成長を
自分自身に重ね合わせては
心の中で悔しくなったり励まされたり

好きって気持ちだけではうまくいかないことも分かる
誰かがいるから頑張れる
人の気持ちを背負って進んでいく
離れていても好きな気持ちは変わらない
何があっても諦めたくない


それぞれに思いを抱えて
前に進んでいく姿は
ボクシング、に限らず
日常生活を送るすべての人たちに届くはず





吉田監督、犬猿がとても好きだったのだけれど
愛すべきキャラクターたち
そして人間味のある丁寧な描き方
今作もとても好きでした。
みどり

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