U-NEXTにてレンタルして鑑賞。
泣きました。
今日は目が完全に充血してます。
ボクシング映画って、ドラマがあって最終的には主人公のサクセスストリーが描かれ、ラストはある程度カタルシスがある映画がほとんどだと思うのですが、今作は主人公の「成功」ではなく「挫折」が描かれます。
どんなに努力をしても、叶わない夢もある、という残酷な現実を突きつけられると同時に、「そもそも、夢を叶える事だけが幸せなの?」というテーマも感じる作品でした。
負けて悔しい思いもたくさんした。だけど、一つのことに情熱を燃やして熱くなれる。なんで始めたか、なんで続けているのか?気づいたら分からなくなっても、それでもボクシングを続ける姿。そのものが幸せな事だし、素敵な事だと気付かされる映画でした。
やっぱりウリちゃんには、どうしたって感情移入せざるおえないですね。試合に負けて、飄々としていたウリちゃん。悔しくないのかな?と思ったら、やっぱりあの後ろ姿・・・悔しいよな。わかるよ。
ラストの魚市場でのシャドウボクシングにも泣かされました。こいつまだ諦めてないんだ。情熱に燃えてるんだ。
また、吉田恵輔監督作品は、「さんかく」「ヒメアノ~ル」「犬猿」もそうでしたが、叶わない三角関係が描かれる事も多く、今作の三角関係もまたヒリヒリとさせられました。おい東出!貴様、後ろから揉むな!
東出さんも良かったです。やっぱりいい俳優さんですよね!聖の青春での松山ケンイチさんとの共演と、役作りは今作も健在でした!!
あと個人的に今作は、柄本時生さんが演じる楢崎というキャラの存在が大きいように思いました。「ボクシングしてる風が出ればいいんで!」って名言すぎるw
本来なら、ボンクラ主人公が徐々に強くなっていくという意味では、楢崎というキャラが、ボクシング映画では主人公になるケースが多いなか、彼が脇で成長していく事で、よりウリちゃんの悔しさが見る側に伝わってきて、胸をグサグサ刺されます。
ロッキーに並ぶ、素晴らしいボクシング映画だと思います。めちゃくちゃオススメです。